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呪術師、そのワードに過敏に反応する永広の様子。五条は顔を覗いた。


「…なーに驚いてんの?オマエの婆ちゃんも呪術師じゃん」

「……うん」

「この際言うけど、俺めっちゃ強いから」

「…そう。それは良かった」

「思ってねぇだろてめえ」

「だって、ここの村では私以外、呪術界に居た人だから」


その言葉に、五条は嘘だろ?と大きく目を開いた。


「1級呪術師から窓の人まで。婆さまも入れれば特級も。引退したり、呪いが嫌になったりした人がここに来る」

「じゃあ何でオマエはここにいんの?」


夏油がいれば「デリカシーが無い」と怒られそうな発言。当然、永広はその発言に五条の方を向く。


「私の両親は窓だった。呪霊に殺された。だから、婆さまが私を引き取った」

「へぇ、カワイソーに」

「別にそう思った事は無い。村の人は親切だし、婆さまは私の教育に力を注いでくださった。どこにも不満は無い」


そう言い切った永広は、何だか大人びた表情をしていた。

それを達観と言うのか、諦めと言うのか、五条には分からなかった。


「……オマエ、自分がこれからどうなるかは知ってんの?」


ふと、思った疑問を五条はぶつけた。永広は軽く1つ頷き、返答する。


「呪術師になる…らしい。婆さまはそう言っていた」

「へぇ。術式も揃っておいて、何でもかんでも婆さま婆さま、そんな人生なんだな」


嫌ったらしい皮肉。悪口を放たれた永広は、伏し目がちになって、それから、話を切りかえた。


「この部屋で過ごしてもらう。食事は持ってくる、浴場は曲がって左、着替えはそこの襖」

「ゲームないの?」

「ある訳ない。それじゃあ」


冷たくあしらって出ていった永広。アイツの地雷はよく分かんねぇな、そうモヤモヤとした思いを踏み消した。

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作成日時:2021年3月9日 0時

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