6 ページ6
・
呪術師、そのワードに過敏に反応する永広の様子。五条は顔を覗いた。
「…なーに驚いてんの?オマエの婆ちゃんも呪術師じゃん」
「……うん」
「この際言うけど、俺めっちゃ強いから」
「…そう。それは良かった」
「思ってねぇだろてめえ」
「だって、ここの村では私以外、呪術界に居た人だから」
その言葉に、五条は嘘だろ?と大きく目を開いた。
「1級呪術師から窓の人まで。婆さまも入れれば特級も。引退したり、呪いが嫌になったりした人がここに来る」
「じゃあ何でオマエはここにいんの?」
夏油がいれば「デリカシーが無い」と怒られそうな発言。当然、永広はその発言に五条の方を向く。
「私の両親は窓だった。呪霊に殺された。だから、婆さまが私を引き取った」
「へぇ、カワイソーに」
「別にそう思った事は無い。村の人は親切だし、婆さまは私の教育に力を注いでくださった。どこにも不満は無い」
そう言い切った永広は、何だか大人びた表情をしていた。
それを達観と言うのか、諦めと言うのか、五条には分からなかった。
「……オマエ、自分がこれからどうなるかは知ってんの?」
ふと、思った疑問を五条はぶつけた。永広は軽く1つ頷き、返答する。
「呪術師になる…らしい。婆さまはそう言っていた」
「へぇ。術式も揃っておいて、何でもかんでも婆さま婆さま、そんな人生なんだな」
嫌ったらしい皮肉。悪口を放たれた永広は、伏し目がちになって、それから、話を切りかえた。
「この部屋で過ごしてもらう。食事は持ってくる、浴場は曲がって左、着替えはそこの襖」
「ゲームないの?」
「ある訳ない。それじゃあ」
冷たくあしらって出ていった永広。アイツの地雷はよく分かんねぇな、そうモヤモヤとした思いを踏み消した。
339人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2021年3月9日 0時