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その後は、まるで軽業のようだった。永広にとっては異次元の戦い。とても敵いそうにはない化け物に対して、2人の人間が有利に戦闘を進めるのだ。

それは、あたかもヒーローのような。

否、彼女にとってはヒーローそのものだった。


五条と夏油が地に降りて、呪霊を見据える。既に弱体化しており、もう戦えそうにはなかった。


「どうする?Aちゃん」

「え…」


夏油が永広に話しかける。


「君のお祖母様が匿っていた呪霊だ。ここで祓ってもいい。けど、もし良ければ、私が取り込んでも構わないかい?」

「な、なんでも、いい。アレを、倒してください」


懇願した。どうか、殺されてしまった人達が報われますようにと。

この人に取り込まれるのなら、それもまたアリだと。


騒ぎが夏油の手によって鎮められた時、何かが琴線に触れた。

それは、安心という名の感情。


泣いたまま、ひたすらにありがとうと唱える永広の頭を、五条は雑に撫でた。

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作成日時:2021年3月9日 0時

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