異能力：《カゲロウデイズ》【文スト】【(微量の)カゲプロ】

34.いつか絶対、君を守れるように ページ43

敦SIDE.


そんな風に言い合いながら下への階段を降りていくAちゃんたちと、それに続く探偵社の人たちを見る。

…みんな、Aちゃんを認めてるし太宰さんなんてあんなに距離が近くて………





敦「(……羨ましい……………




………………え？)」






僕は今何を思った？

……羨ましい…？

好意を寄せているわけでもないのに…








……本当に？








───思えば、いつだって欲しい言葉をくれるのはAちゃんだった。

いつだって、というと昔から知っているみたいだから語弊が伴うけど…

逆に今までの人生、こんなにも短い時間で、ここまで寄り添ってくれる人に出会ったことが有っただろうか。

人生を通してですら、居なかったように思う。

……何より、あの倉庫でくれた言葉。



生きていていいと。

存在意義を認めると。

誰も彼もが僕を否定しても、Aちゃんだけは認めてくれると。



そう、誓ってくれた。








嬉しいなぁ。

優しいなぁ。




………好きだなぁ。










………そっか、僕、Aちゃんのことが好きなのか。











ストン、と腑に落ちた。











Aちゃん。

君は何を背負っているの？

時折り見せる、あの瞳(め)は何？

君のことがもっと知りたい。


知りたいよ。


そして、君が僕にしてくれたように、

君を支えてあげられたらいいな。


今はまだ僕の方が未熟だし、異能も使いこなせていないけど………




───いつか絶対、君を守れるように頑張るから。



.

次章.女王の力とポートマフィア→←33.僕が主

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す