異能力：《カゲロウデイズ》【文スト】【(微量の)カゲプロ】

17.“化け物”と影 ページ24

NO SIDE.


敦「や、ややや、やめなさーい！親御さんが泣いてるよ！」

『僕が泣いてるよー！！』

太宰「…フフッ………Aちゃんが泣いても……意味ないでしょ…ッ……！！」

『太宰サン笑いすぎ！！！』

「な、何だアンタらッ！」

敦「ぼぼ、僕は、さ、騒ぎを聞き付けた一般市民ですっ！いい、生きてればいいことあるよぉッ！」

『敦どもりすぎじゃね？？』

「ならお前は何だッ！！さっきもワケのわからないこといいやがッて…！」

『僕は………うんん……僕は……』


うーんと悩んだあと、Aは元気に言った。


『僕はそこらの化け物(・・・)デス！！！』


その瞬間、時は止まったようになった。

誰もが、

その空間にいる誰もが、



──彼女の背後に蠢く影を見た気がした。


『キミみたいな爆弾魔ごとき、屁でもないのです！』

「ッ………！どいつもこいつも無責任に言うなッ！皆、みんな死ねばいいンだ………！！！！」


そんな爆弾魔を見て、敦が食い気味に言う。


敦「ぼ、僕なんか孤児で家族も友達も居なくてこの前その院さえ追い出されてて！行くあても伝手も何も無いんだ！」

「え…ええ」

敦「害獣に変身しちゃうらしくて軍警にバレたら多分縛り首だしとりたてて特技も長所も無いし誰が見ても社会のゴミだけどヤケにならずに生きているんだ！！！」

『それもうヤケだよ、ヤケになってる以外の何者でもないよ』

敦「ね、だからさ爆弾捨てて一緒に仕事探そう」

『聞いちゃいねぇぜ』

「い、いやボクは別にそういうのでは……」

『ほらもう爆弾魔クンたじたじじゃん！！！』


そんなこんなであわあわやっているところに、声が響いた。


国木田「手帳の頁を使うからムダ撃ちは厭なんだがな……！異能力《独歩吟客》……鉄線銃！」


そして鮮やかな手付きで爆弾を奪い、爆弾魔を確保する。


『おおーうお見事！！』

国木田「貴様に褒められても嬉しくないわッ！」

『ツンデレ？』

国木田「ツンデレではない！」


爆弾魔を捕らえたので気が緩み、巫山戯る余裕が出てきたAたち。

そんな会話に情けない声が飛び込んできた。


敦「あ」


ビターン！！！

ピッ。


無情にも響く電子音。

それはすなわち爆弾のスイッチが押されてしまったことを意味していた。


『え？』

太宰「ええ？」

全員「ウワァァァ！！！」


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