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第14話 ページ14

「ペット自慢大会はもういいだろ。ヅラはさっさと調べてこい。…新八は俺と買い出し行くぞ」
「冷蔵庫からですもんね…神楽ちゃん、留守番お願いね」
「はーい」
「神楽はAのこと頼むぞ。先風呂沸かしてのんびりしててくれ」

ガラガラと玄関の扉が音を立てて開く。

「いってらっしゃい…」
「おー」

銀時はだるそうに右手を上げて返事をした。

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「わんっ」
「わっ…」

神楽さんはお風呂を沸かしてくると言って客間に私と定春くんを置いていってしまった。
ぼうっとしていると定春くんが元気よく吠える。

「…定春くん」

舌を出してソファに座った私の横に座る。
こんなに大きな犬がいることに驚きだが…可愛いと思う自分がいる。
触りたいという気持ちと勝手に触ってはいけないという気持ちがぶつかる。

「私ね、小さい頃犬とか猫とか飼ってみたいなって思ったことがあるの。でもね、お父様がアレルギーだからダメって」

定春くんはのそりと立ち上がると、私の頬を舐めた。
びっくりして硬直していると、再び定春くんは座り込んでわんと吠えた。
なんだか嬉しくて私はくすりとつい笑ってしまった。

「風呂沸いたアル!!入るか??」
「えっと…いいんですか??」
「監視なんてしないネ。ゆっくり入って来るといいアル」
「ありがとうございます」

神楽さんがとびきりの笑顔でそういうので、私も釣られて微笑んでしまう。
私はソファから立ち上がり、神楽さんに連れられて脱衣所に入る。
はっとした顔で神楽さんが振り返るので、どうしたのだろうと疑問に思っていると着替えがないのではないか、といった。

「私の服は洗濯中アル…銀ちゃんの浴衣でいいアルか??」
「銀時の…??」
「大丈夫アル。同じの何着もあるネ。用意しておくからゆっくり入れよー」

そう言って神楽さんは脱衣所から出ていった。
言われて気づいたが、今日は監視員がいないのだ。
それが普通なのだが、喜んでしまう自分がいる。
私はまず、懐から写真を取りだし、お風呂から水を汲んで汚れを落とす。
近くに置いてあるタオルを拝借し、水を吸わせるように拭く。
乾くまで時間がかかると思うのでタオルの上にそっと置く。
足袋を脱いで、足の包帯を取って、足を見と、裸足で走った時の傷が点々と存在していた。
小さい傷口だし、少し染みるくらいだろう、頭だけ洗わなければいいかと思い、私は着物を脱いで風呂に入る。

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作者名: | 作成日時:2019年8月29日 0時

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