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第11話 ページ11

お爺さんは微笑みながら私に話しかけてくれる。

「困ってるんなら万事屋ってあるよ、この街には」
「万事屋…??」
「ああ、何でも屋みたいな所さ。ここまっすぐ行って左だよ」

足袋と草履を履き終え、お爺さんが店先に出るのでそれに釣られて私も店から顔を出す。
お爺さんはお店から出て左を指さしていた。

「困ったら誰かに言いなさい。自己解決だけじゃどうにもならないこともある。さ、怪我には気をつけてな」
「ありがとうございました…!!」

私はお爺さんにお礼を言って、店を出た。
万事屋か。
桂の安否を確かめたいので依頼ができればいいが、腕の経つ侍や忍びじゃないと難しい案件か…??

すっかりカピカピになってしまった写真を懐から取り出す。
桂も唯一無二の友達だったのに。
今頃どうしているのだろうか。

「ここかな…」

"万事屋銀ちゃん"と書かれた看板。
それを見た瞬間、はっとする。
銀ちゃん…??
もしかしたら、と思いつつゆっくり階段をのぼりインターホンを押した。

「はーい」

万事屋から男の子の声が小さく聞こえる。
暫くすると扉が開き、少年がでてきた。

「こんにちは。ご依頼ですか??」
「そうです。…人を探してて」
「そうですか。中へどうぞ」

草履を脱ぎ、万事屋に入る。
ソファに座らされ、お茶を出される。

「新八ィ、お客さんアルか??」
「そうだよ、お盆片してくるから座ってて」

赤いチャイナ服の女の子が向かいのソファにどっかり座る。
新八と呼ばれた少年はお盆を片すと、女の子の隣に座った。

「ではまず自己紹介から…僕の名前は志村新八です」
「神楽アル。よろしくネ」
「輝内…です。よろしくお願いします。えっと…依頼したいのは人探しなのですが…」
「人探しですね。名前と…特徴とかお願いします」

そういって少年はメモを取り出す。

「てかいつまでそれ被ってるネ??」
「あ…菅笠、ですか…??」
「取ってくださって大丈夫ですよ」
「…このままで…」

頭の傷を見られたら何か言われる、そう思い、取れなかった。
被ったままも充分怪しい気もするが。

「え、えっと、どなたを探してるんですか??名前とか…聞いてもいいですか…??」
「あ…桂小太郎です。黒髪の長髪で」
「え!?」
「ヅラ!?」

2人が威勢よく叫ぶので、驚いて言葉を失う。
なにかまずいことを言ったのだろうか。
そのまま続けて桂の特徴を告げる。

「…青い着物に」
「ヅラアル」
「…灰色…の羽織」
「桂さんですね」

うんうん、と2人が頷く。

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作者名: | 作成日時:2019年8月29日 0時

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