【歌い手】KISS【luz】

kiss43 ページ43

もし、この後ばらばらの進路を歩んだとして、


もし、伊織のことを俺以上に幸せにできる人が現れたとして、


それでも伊織は、俺のそばにいてくれるだろうか。

俺から離れていってしまわないだろうか。


今回のことだって、きっと色々不安にさせてしまったに違いない。

幸せにしたいと願うけど、幸せにできる自信はない。


ずっとそばにいてほしい。

願わくば、


君とずっと一緒にいたい。

俺から離れていかないで。


お願いだから、

ずっと俺の隣に―――――



「光？」

その声ではっとする。

「大丈夫？ごめんな、夜にこんな長話して。

　早く寝たかったやろ。

　悪いことしたなー。」


「ちがう。」

違うんだ。

「ねえ伊織。」

「んー？」




「ずっと、俺のそばにいてくれる・・・？」


馬ッ鹿、俺何言ってんだ。

こんなん伊織を困らせるだけだろーが！


「えーっと、光がどういう考えでその質問をしたのかは

　よく分かんないんやけど、


　私は、光が私の手を放して、私から離れていかない限り、

　光のそばにいるよ。」


「もちろん人生いろいろあるから、

　絶対、とは言い切れないけど、


　そうでありたいと、思ってるよ。」

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