親戚が推しだなんて聴いてない【うらたぬき】

38話 ページ40

うらたside





「待てや！！！」




「さ、かた…」




いつも優しい俺の相棒は、今だけは鬼のようだ。



『なに…』





「待て言うとんのや。お前アホなん？」




カチンときたのか、思いっ切り睨みつける。





『あ？何でアンタに言われなきゃいけないの』






「突然うらさんのとこに来て、自分の居場所無いとか言って、俺らのライブ来たいとか、ライブ終わったら泣きながら寝て、起きたと思ったらいきなり外出てって。自分は居らん言うて。迷惑なんよ」





本音なのか分からない言葉を、坂田は繋いでいく。



だんだんと強そうな瞳も、潤んできて。






「オムライス作って、空気を明るくして、ゲームして、ライブ来て、物販行って、サイン入り缶バッチ出たら喜んで。いつも眩しい笑顔で、それでｯ………あんなに楽しそうだったのは、嘘やったんか……」







どんどん弱くなって、脆くなって。




溜まっていた涙も零れてきて。






そんなの…………









『期待しちゃうじゃん…』

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