第二十七話 ページ29
・
「防御した腕がもげるかと思ったよ」
軽い足蹴で瞬時に立ち上がった太宰。
彼は体を鳴らして、体制を整える
先程の蹴りは腕で防御し、ダメージはあまり食らわなかったのだ
「私の計画を阻止するなら、もっとすごいのじゃないと。
君の手筋も間合いも動きの癖も完全に把握している」
「ッチ…………なら!」
太宰の目から中也が“見えなくなった”
「!」として気づくと手を伸ばせば届くほどの距離に彼はいた
防御する時間などないほどに疾い
「この攻撃も読まれてんだろーなァア!」
鋭い攻撃が太宰の頰に炸裂した
すごい勢いで後方によろけるも、追加攻撃で鳩尾にもう一つ
「っっ!」
「動きが読める程度で勝てる相手だと思ったか…?」
「っぐ…」
「終いだ。最後に教えろ」
ナイフを取り出して、彼の喉に当てる
中也は首を掴みつつ質問をした
「態と捕まったのは何故だ」
*
『…どこだっけな』
汚れた床を散々歩いたせいで革靴も汚れてきてしまった
幸いにも制服は綺麗なまんまなのでいいが
『シミついたらやだな』
相変わらず端末機片手にそう呟いた
そこに示すのはまた違う場所
おそらく…………
「二番目の目的は俺に今の最悪な選択をさせること?」
久しく聞いた懐かしい声
こっそりと壁に隠れて覗くと案の定そいつはいた。
『あんのクソ太宰…』
僕にこうさせたアイツは本当に頭脳明晰だ
何故全てを計算できるのか…凡人のは皆目検討もつかない
「おーい鈴ー早く来てよー」
「あ?おい太宰何言ってんだ」
「タイミングはバッチリだと思ったんだけど」
「おい、だから何言い出してんだよ」
タイミングもバッチリか
俺もみんな含めてアイツの手の内ってわけなんだな…
すごく気に食わないな
「おーい鈴ー」
『うるさい黙れ包帯無駄使い装置変人野郎が』
「あ、ホラ来た」
「ああ?」
僕の声にアイツはこちらを見た
『久し振り………中也』
・
282人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みき - とっても面白いです!更新頑張って下さい! (2019年6月16日 8時) (レス) id: 8d56403f64 (このIDを非表示/違反報告)
☆のん☆(プロフ) - 11話、淳じゃなくて「敦」です。キャラクターについての誤字はもっと気をつけたほうがいいと思います。 (2019年5月21日 15時) (レス) id: b41524b4b3 (このIDを非表示/違反報告)
十夜 - クドい様ですが、敦が淳になってます。 (2019年5月6日 21時) (レス) id: c029fe2fa8 (このIDを非表示/違反報告)
ルーカス - 続きめちゃめちゃ楽しみにしてます! (2019年5月1日 21時) (レス) id: 9beb8a0104 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ(プロフ) - 中島敦が中島淳になってますよー!更新応援しています! (2019年4月26日 21時) (レス) id: 956baee6af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水餅 | 作成日時:2019年4月20日 12時