第十三話 ページ15
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辺りは暗闇だった。
途方もなく息苦しくて…網膜には光は微塵も入ってこない
起き上がることもできずに柔らかい何かが僕の体を包んでいる
もうもうと熱くて、汗が吹き出てきた。
_____というか本当に息苦しい熱い目が回るんだが?
僕は死んだのか…?太宰は…?
死んだらこんなにも苦しいのか?何も感じないんじゃなかったのか?
心なしか太宰の笑う声も聞こえるんだが?
「ぷっ…ふ…」
ムカつく笑い方だな…もう一回生き返って殴りたい
いや、いけるかもしれない
もしかして…アイツも死んだから声が聞こえるの_____か?
『っっお、治!!』
「へぶぁ!?」
『ごふぅ!?』
重い何かを持ち上げてガバッと起き上がると、
目に眩しいほどの光が大量に注がれた
加えて、脳天には何かの衝撃と鳴き声……痛い
『う…ぐぅ…痛い…』
「私の方が深手なのだよ!鈴!」
『は…?太宰…?』
「わー!太宰さんティッシュ!ティッシュ!」
他の誰かの声も聞こえた
パチクリと目を向けると、そこには数人の人たちがこちらを見ていた
異様な光景を前に少し後退る…なんだこれは…
「三日月鈴」
『…!ふ…福沢さん?』
「社長と呼べ「新人」」
『…状況を教えてくださいよメガネさん』
「めがっ!?…貴様…度胸はあるな」そう低い声で言う堅物の男が僕を見る
本当にどうなってるんだ…
というか太宰が僕に毛布かけてただろ…道理で熱いし暗かったわけだ
「君には、武装探偵社員になるための「入社試験」をさせてもらった。
結果は合格だ。身を挺してでの行動力、観察力からそう判断した」
『…は?』
「だから、合格だと言ったんだ。喜べ新人」
『いや…え…は?』
「そーゆーことだ!鈴くん!」
太宰が前に出てきて、治ったらしい鼻を綺麗に拭き取ってこう言った
「三日月鈴。今日から君も武装探偵社の一員だ」
どうか…これが夢であってくれ…
『…………』
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みき - とっても面白いです!更新頑張って下さい! (2019年6月16日 8時) (レス) id: 8d56403f64 (このIDを非表示/違反報告)
☆のん☆(プロフ) - 11話、淳じゃなくて「敦」です。キャラクターについての誤字はもっと気をつけたほうがいいと思います。 (2019年5月21日 15時) (レス) id: b41524b4b3 (このIDを非表示/違反報告)
十夜 - クドい様ですが、敦が淳になってます。 (2019年5月6日 21時) (レス) id: c029fe2fa8 (このIDを非表示/違反報告)
ルーカス - 続きめちゃめちゃ楽しみにしてます! (2019年5月1日 21時) (レス) id: 9beb8a0104 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ(プロフ) - 中島敦が中島淳になってますよー!更新応援しています! (2019年4月26日 21時) (レス) id: 956baee6af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水餅 | 作成日時:2019年4月20日 12時