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思い出の書2冊目 ページ15

〜志麻side〜

俺達はうらたさんの夢に乗っかった。

うらたさんの夢は、俺達の夢になった。

海に出るには船がいる、船を買うにはえらいお金がいる。

船を買うために、俺達は歌い手以外に仕事に就いて、

お金を貯めることにした。

毎日忙しくて、つらいときも多かった。

せやけど、4人で励まし合って頑張った。

お金を貯め始めて2年がたった。


坂「うらさん、うらさん!! もうそろそろ船買えるんじゃない。」


浦「ああ、もう結構立派な船買えると思うぞ。」


そして俺達は、船を買いに街に出た。

店のおっちゃんに声をかけて、船を選んで、

1ヶ月後に届くと告げられた。

1ヶ月。 長かったのか、短かったのかは分からないけど、

えらい興奮してたのは覚えてる。

そして1ヶ月がたった。

海に浮かべられた俺達の船。


浦「やっと・・・やっとだ・・・・。」


うらたさんは目に涙を浮かべて喜んだ。

この2年間、うらたさんが1番努力してたのは

3人共知ってる。

でも、ちゃうやろ? うらたさん。

俺はうらたさんの背中を叩いた。


島「船買うのが夢ちゃうやろ。 俺達の夢は、これからや!!」


うらたさんは一瞬驚いたような顔をしてこちらを見てたが、

すぐに涙をぬぐった。


浦「ああ、そうだな!!」


俺達は食料と地図、生活に使うものを船に積んだ。

そして、もう出航しようとした矢先、


  「おーいっ、お前らー!!」


振り返ると、村の人達が手を振っていた。


村人「お前ら、ここ出てくんだってなー!!」


村人「寂しくなるぜー、お前らの歌しばらく聞けんくなるでなー!!」


村人「有名になってこいよー!!」


村人「いつでも帰ってきなさーい、おいしいご飯作って待ってるわー!!」


こんなに多くの村の人達が

うらたさんの、俺達の夢を喜んでくれている。

隣の坂田は既に泣きそうになっている。

うらたさんは手を上げた。

俺達も意図を察して手を上げた。


浦「ありがとう!! いってきまあす!!!!!」


俺達は大きく手を振った。

いつか必ず、胸を張って帰ってくるんや。


浦「出航っ!!!!!」


船が出航して、村人の姿がどんどん小さくなっていった。

俺達の旅が今、始まった。

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Ruina - 過去編すごく意味深い!これからも更新頑張ってください! (2018年9月5日 17時) (レス) id: 4f718e1884 (このIDを非表示/違反報告)
ありす - うわー!めっちゃ続き気になるー!面白いです!! (2018年2月23日 17時) (レス) id: 80a388aab0 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - おもしろいーー!! (2017年8月24日 17時) (レス) id: 0f5fa8bb5a (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - (;_;)あ、あれ?め、目から塩水が、、、過去編ヤバかったです。(語彙力これからも応援しています。 (2017年8月17日 1時) (レス) id: 2a7062127e (このIDを非表示/違反報告)
manari(プロフ) - コメント失礼します!!めっちゃ感動しました…(泣)世界観も好きです!これからも頑張って下さい!! (2017年8月15日 16時) (レス) id: b97d9f2d41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百合花日和 | 作成日時:2017年7月28日 20時

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