謝れば許されるとでも？

past(-M-) ページ24

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病院を出て、そらるさんと2人で帰り道を歩く

「……これから、どうします？僕たち、ホントAに酷いことを……」

「まずは、みんなで謝りに行く。Aに何を言われようと謝り続ける。でも、謝ってもダメだと感じたら別の方法を取るかな」

「ですよね、まずは謝らなきゃ……」


でも、Aは謝るだけで許すような人じゃないということを僕は知っていた

どれだけAの心を開けるか、それが重要なんじゃないか……と思っていた


「A……歌い手に戻ってきてくれますかね……」

「さぁ……でも、アイツの性格を考えると戻ってきそうだけどな。まぁ、その前にアイツの考え方を刺激しちゃったら無理だろうけど」

Aの考え方、か

まぁ、困るのは偽善者の嫌いっぷりだよな



そらるさんと別れ、ﾄﾎﾞﾄﾎﾞと歩いていると前の方にりぶさんが見えた

少し速めに歩いて、りぶさんに追いつく

「あぁ、まふまふさん」

「りぶさん、あの……Aを歌い手復帰させるには、どうしたら良いんでしょうか……」

「さぁ？僕も知りません。というか多分、復帰しないんじゃないですか？」

だって、あんなに精神ﾎﾞﾛﾎﾞﾛにしちゃって……"可哀想に"と僕を睨みつけながら、嫌味っぽくそう言った

その瞳には、お前らのせいだぞ、という怒りが宿っていた


「………りぶさんは、なんでAを信じてあげれたんです？」

「だって、Aさんが"やったのは俺じゃない"って、はっきり言ったんですもん。あの人、嘘は吐きませんよ」

「それだけで信じれたんですか……？」

「まぁ、半信半疑でしたけどね。でも、みんなに疑われている中で手を差し伸べてくれる人がいたら、自然と好感を抱くものでしょう？」

「それって、どういう……？」

「僕はAさんに気に入られたかった、それだけです」

じゃ、家ここなんで。と、りぶさんは消えていった

僕の頭の中では、りぶさんの言葉がｸﾞﾙｸﾞﾙ回っていた

りぶさんは、Aに好かれたかった？

そのためだけに、ﾎﾞﾛﾎﾞﾛのAに手を差し伸べた？


なんで？なんで？？

なんで、Aに好かれたかったんだ？

あの2人、仲は元々良い方だよね……

なにか、他の理由が？

ダメだ、分からない……


僕は、りぶさんの意味深な発言を理解することが出来なかった

いや、僕じゃ分かんないから言い残したのかもな


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