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あぁ、私と一緒にいたそらるさんは、
「死んだの、？」
こくりとまふくんが下を向いたまま苦しそうな表情をしたまま頷いた。
あの言葉通り、私と一緒にいてくれなかった。
ぼろぼろと無意識に涙が溢れ出てくる。目頭が熱くなる。なんとなく予想していたはずなのに、喉が痛くなる。腹の底から何かが湧いて出てくる。
ぽろ、と涙が零れた。
だって、そらるさんは私を庇ったから。
暴走車はそらるさんじゃなくて、私に向かって突っ込んできた。
さっきと同じようなカフェにいた時に。
暴走車が来て。
私は咄嗟のことで動けなくて。
でも、そらるさんだけ動けたんだ。
そんな重々しい空気の中、まふくんが申し訳なさそうな顔をしながら、口を開いた。
「それでさ、Aちゃん。そらるさんから、これ預かってたんだ」
まふくんが渡してきたものは、何かが入ってそうな小さいケース。重さ的に確実に何か入っていた。
「なに、これ…そらるさん、から？」
「うん、そらるさんさ、ずっとAちゃんのこと好きだったんだ。恋愛感情として」
まふくんの言葉を聞きながら、パカリとその小さいケースを開けた。
中に入っていたのは私の誕生日石のダイヤがあるネックレス。
「僕にもさ、Aちゃんのこと相談したりしてて、さ、っ、今度、告白するんだ、って…言ってて」
まふくんの言葉で、そらるさんの気持ちを知れて、さらに涙が溢れてくる。さらに喉が痛くなる。今、口を開けたらきっと叫んでしまうから、きつく口を結ぶ。
小さいケースの中にネックレスとは別に、折りたたまれているのであろう紙を見つける。なに、これ。
かさり、と音を立てながら折りたたまれていた紙を開いた。
「たぶん、そらるさん、Aちゃんのこと、愛していたんだと思う。」
まふくんのその言葉で、紙に書かれていた言葉で、我慢することができなくなった。声を抑えるなんてことできなくなった。
手で口元を抑える。
が、無意識に声が出ていて。
ぽた、ぽた、と病院の毛布に涙が落ちる。
もう、彼はここにはいない。
彼は、ここにはいてくれなかった。
あんな、好きって言って別れて、笑えるわけない。
むしろ、会いたいと、どこにもいない彼に縋ってしまいそうになる。
あなたに愛されていたかった。
「あ、ぁあ、そら、るさ、なんで、なんでですか、っは、なんで、…っ、そらるさん、っ」
A、愛してるよ。
そらるさん、それは私の愛しい人だ。
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