31話 ページ10
「やっぱり見つからないもんだね」
調理をしつつ誰からともなくそんな話が出る。そんな言葉を漏らしても仕方がないほどめぼしいものは見つからない。いや、そんな簡単に乗っていたら危険極まりないから安心といえば安心なのだが。どこのサイトをみても、どこの本をみても一向にそれらしいものは見つからないどころか危うく詐欺霊媒師のサイトに引っかかってしまいそうになるくらいだ。
というか本物の霊媒師が来たところで玄関へと近寄れるかすら危うい。滅多に怖がらない、それもその類のものは感じ取るだけしかないそらるさんが震えながら怖いと言ったのだ。本当に視えるのであれば近寄るという作業さえ困難を極めるだろう。
かといって簡単に近寄れるぐらいの軽い人呼んでしまっては意味が無いし……
の堂々巡りである。
『私も出来ることと言ったら一時的に追い払うくらいですしね……』
鍋に味噌を溶かしながらAも困り果てたようにつぶやく。くるくるとかき混ぜられている味噌汁にため息をこぼしてはまたくるくるかき混ぜた。
96猫さんが担当していたらしいメインのおかずができあがり、それらを器に盛っていくときにもため息の合唱は止まず、結局ごちそうさまの掛け声がかかるまでそれは続いた。
夕飯もおわりまた検索作業に戻る。これだけ探したのだからもうどれだけ探しても無いような気もするが、ほかに手立てがない。
「もういっそ96あたりが開花して必殺技唱えておわってくれないかなぁ……」
さかたんがうんざりしてきたのかそんなことを冗談めかしに話してきた。もちろん96猫さんは「無茶言うな」なんて言いながら絶えず手を動かしている。それもそうだ。突然必殺技を唱えれば撃退できましたー、なんてのはマンガの中だけの話だ。そんなことは現実にそう簡単に起こりっこない。
シラミを潰すようにサイトを一つ一つ開いては読んで、ダメなら閉じての繰り返し。その単純作業をひたすら続ける。気が付くと時計は丑三つ時に差し掛かっていた。
『私はあれですけど、皆さん生身なんですしそろそろお休みにしませんか……?』
休もうと言い出したのは本人は休む必要の無いAだった。「不健康が1番そのテのものに付け入られ易いんですよ」と彼女は続けていう。
この状況で付け入られやすくなるのだけはごめんだ。満場一致で今日は休むという判断をした。
そしてお風呂に入ろうと言うところで再び事件は起きた。
「……下着どうするよ」
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がま由(プロフ) - 真夏さん» はじめまして!!誤字のご報告ありがとうございます、確認し次第訂正させていただきます!閲覧、コメントありがとうございました! (2017年9月13日 6時) (レス) id: ceecbc770e (このIDを非表示/違反報告)
真夏(プロフ) - 出来る限りの更新、楽しみにしています!二回にわたるコメント失礼しました。 (2017年9月11日 21時) (レス) id: 14f8e7718b (このIDを非表示/違反報告)
真夏(プロフ) - 初めまして。初編からここまで一気に読ませてもらいました。一つだけ、名前反映がされていないです。。『ゆう』と混ざっています。。作者様自身で読み直して頂けたらと思います。これからの内容楽しみです! (2017年9月11日 21時) (レス) id: 14f8e7718b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がま由 | 作成日時:2017年8月15日 4時