32話 ページ11
Tシャツや半ズボンは貸せても下着までは流石に貸すわけにはいかない。まして96猫さんは女性だ。女性用の下着なんて持っていないどころか生まれてこの方買ったことすらない。かといってお風呂に入ったあと、使い古した下着を使うのは不快だろう。つまり、この状況から脱する方法は……
「……いきなりおつかい…………?」
いやだ。こんな時間に行きたくない。丑三つ時なんて幽霊の代名詞みたいな時間じゃないか。しかもこんな時間に空いているのなんてコンビニくらいで、そこまで行くには往復30分ほどの時間を要する。しかしこの状況で行けるのは僕1人だけだ。絶対に行きたくない。
「いやええで! わし今日朝シャワー浴びてきたし!! 明日の昼間にお願いできたらそれで!!」
「いや夏なんだし96猫も汗かいてんだろ」
96猫さんが気を使ってお風呂を断ろうとしてくれたが即刻そらるさんが断るのを阻止。そらるさんとしては女性にお風呂をがまんさせる、というのが許せなかったのだろうがそんな紳士的な面を見せてもパンツがこんにちはと出てくるわけじゃない。出てきてくれたらどんなに楽なことか。
一瞬Aの生前に買って使わなかった下着がないかとも思ったが流石に七年前となると残っていないだろう。そらるさんを軽く恨みつつ打開策を考えているといつのまに部屋から出ていたのだろう。たくさんの新品の下着を抱えてAが戻ってきた。
「……えっなにそれ」
『ぱんつです』
「いや、えっ」
『P、A、N、T、S、U。ぱんつです』
「いやそれはわかる」
きりりとした表情で得意げにそれの名前を告げるA。新品の下着をなぜそんな数もっているんだ。明らかに1人分ではないそれは男性ものも女性ものもあるようで妙に色とりどりだ。
「まふまふが聞きたいのはなんでAがその数の未使用の下着を持っているかだと思うぞ」
『あぁ、それはですね……』
簡単に言うと、今まで住んだ人が忘れていった新品の下着を勿体ないからとストックしていたらしい。ちゃっかりしているというかなんというか。にしてもここに住んでたひと忘れ物多すぎだろう大丈夫なのか。まぁ役立たずの自称霊媒師詐欺にひっかかるくらいだから頷けるといえば頷けるが。
とりあえず、Aのストックのおかげで丑三つ時のドキドキおつかい大会は免れた。
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下ネタ連呼すみませんでした。
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がま由(プロフ) - 真夏さん» はじめまして!!誤字のご報告ありがとうございます、確認し次第訂正させていただきます!閲覧、コメントありがとうございました! (2017年9月13日 6時) (レス) id: ceecbc770e (このIDを非表示/違反報告)
真夏(プロフ) - 出来る限りの更新、楽しみにしています!二回にわたるコメント失礼しました。 (2017年9月11日 21時) (レス) id: 14f8e7718b (このIDを非表示/違反報告)
真夏(プロフ) - 初めまして。初編からここまで一気に読ませてもらいました。一つだけ、名前反映がされていないです。。『ゆう』と混ざっています。。作者様自身で読み直して頂けたらと思います。これからの内容楽しみです! (2017年9月11日 21時) (レス) id: 14f8e7718b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がま由 | 作成日時:2017年8月15日 4時