【センラ】社畜リーマン歌い手はお腹が空いているようです

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(またやらかしたぁ…)



ただいま電車で通勤中。
吊革に捕まりながら、ぼーっとそんなことを考える。

結局あの後彼女が俺のことを名前で呼ぶのは却下されてしまった。
こちらからタメ口で話しかける許可は得られたのでまあ良しとしよう。


どうやら彼女と話していると理性の一部が欠落するらしい。
自分が何かする度顔を赤く染めて反応してくる姿をもっと見たくて、ついあんなことをしてしまう。


…自分いつからあんなキザ野郎になったんやろ。



この感情は何なのか。未だによくわからない。

自分が一体何がしたいのかさえも。



そしてうらたん、志麻くん、坂田。
3人に、このことを何と言って伝えようか。



(これからどないしていこうか)



ふぅ、と軽くため息をつく。
まだまだ考えることはたくさんありそうだ。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




(やらかしたぁ…)



フライパンを持ちながらはぁとため息をつく。



「Aちゃんどうした？具合でも悪いんか」



常連のお客さんに心配されてしまい、首をぶんぶんと振る。



「いいえ何も！すみません」



いくら油断していたとはいえ、態度があからさますぎた。恥ずかしい。
もういい年をした大人なのだからもっとしっかりしなくては…。



(折原さんてあんな表情するんだ)



ぽけ、っとあらぬ方向を見ながらそんなことを考える。



上目遣いで見つめてきた時の顔。怪しげに笑いかけてきた時の顔。


あの綺麗に整いすぎた顔のせいなのだろうか。そのどれもが頭に焼き付いて離れない。



(そういえば、お昼ちゃんと食べたかな)



夜ご飯は多めに作ろうか。

菜箸をくるくる。手早く回しながら考える。


私の頭の中は折原さんのことでいっぱいだ。

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