検索窓
今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:62,330 hit

第31話 ページ38

「......出番前に袖に何度か。
楽屋とに移動は小屋の人がいるから
一人じゃあないな。あとは最後の
舞台挨拶(かてこ)の前。まあ一応みんな
警戒してるから、誰かしら居るようには
してますよ。......ああ、けどあそこにいる時は
無防備だなあ。俺は特に、何十分も
一人でそこにいる」



「そこは何処だ?」



「舞台上だ」



村上青年が云うよりも早く



私が口を開いた。



「あ?......あんた助手かい」



「ああ、そうだ。」



福沢は唸った。確かに舞台の上の



役者に張り付いて警護する訳にも



いかないし、襲撃の危険が



あるから物陰で演技しろ、と



命じる訳にも行かない。



逃げおおせるなど限りなく



不可能に近い。



最も警戒すべきはやはり



俳優が一人になる時だろう。



「ふうん、主役なんだ」



福沢の傍らに控えていた乱歩が



いきなり云った。



「お前も、用心棒の助手か?」



「ねえ、この芝居ってどんな話?」



乱歩は村上青年の質問を無視して訊ねた



「どんなってお前、用心棒なら
劇団から台本貰ってるだろ。それ読めよ」



「あんなの呼んでもつまらないよ。
最初の一頁で面倒になっちゃった。
だから教えて」



つまんない......。



福沢は密かに顔を覆っていた。



まあ、顔も覆いたくなるだろう。



やはり乱歩は連れてくるべきではなかった


そう思っているに違いない。

第32話→←第30話


ラッキーアイテム

麦わら帽子


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
91人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 織田作之助 , 成り代わり   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

読書日和(プロフ) - あい様、教えて下さりありがとうございます( > _ < )修正しておきました (2019年3月9日 7時) (レス) id: 074c26cf03 (このIDを非表示/違反報告)
あい - あの、19話と20話が同じなんですけど。 (2019年3月8日 21時) (レス) id: ba4bf15776 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:読書日和 | 作成日時:2019年2月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。