まふまふの女版

女版。38 ページ39

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「A…それデートやで。」


「は？！」




急に耳元で低い声が聞こえた。


ばっと右横を見ると、さっきまで前に座っていた96ちゃんで。


その目はスマホに釘付け。


何勝手に見てんの…。





って




「え？！デート？！！」


「やっぱり気づいてなかったんか！！」




でーと？


でーと って


え？


あのデート！？




「いやいやいや！！！！機材買いに行くだけだよ？！」




そうだよ、まふくんはそんな気持ち無いだろう。


だって、ほら、そんな感じないっていうか。




「その後お店行くってことはデートやん！！」


「え、でもケーキのお店に男性1人で入るのは、ちょっと厳しい人もいると思うし…。」




デートなわけ、ない。


そうだったらいいな、とは思うけど。



…でも、そうやって期待して、後で辛い目にあうのも目に見えている。




「取り敢えず、それなりにおめかししていきなよ！」


「んー…。」




私だけ、気合入ってるとか思われたくない。


恥ずかしいし、勘違いとか嫌だ。


…でも、まふくんには可愛く見られたい。




「大丈夫！まふくんはそんな簡単に女の子誘ったりしないから。」




ふわっと笑う96ちゃん。


……本当、この猫には頭が上がらないなぁ。




「ふふっ、わかった！それなりの格好はしていくね！」




そうだよね、まふくんはきっとそんな人じゃない。


…あの人が、特別酷かっただけだよ。




「ありがとう、96ちゃん。」


「おー！」




ニコニコ嬉しそうに笑ってる彼女に、また元気をもらった。





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