女版。36 ページ37
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あの後、デザートを食べ解散し、うらたさんに家まで送ってもらいすぐに寝た。
で、その次の日、つまり今日は友達の家にいるんですが。
「…好きな人、出来たかもしれない。」
「んっ?!ゲホッゴホッ
ゔゔんっ、今、なんて?」
「だから!好きな人!できた!!!」
「…
えぇーーーーーーーーー「うるさい96ちゃん」
ごめんなちゃい。」
そう、96ちゃんこと96猫の家だ。
今の会話でもわかるように、恋バナというやつをしている。
一方的に私からだけど。
「誰や?!ワシの嫁の心を射止めたのは!!!」
ジュースが入ったコップを持ちながら、許さん…とかなんとか呟いてる96ちゃんを無視して、もう一度冷静になる。
恋愛ねぇ。
そりゃしてきたんだけど。
あまりいい思い出がないからか、その響きにときめきを感じることはない。
けど、この気持ちに嘘はない、と思うんだ。
最近ずっと考えていた。
彼のこと。
昨日撫でられた頭にまた熱が集まり始めて、ブンブンっと首を振る。
あぁ、これはもう病だなぁ、なんてくさいセリフが浮かぶくらいには、彼のことが好きだ。
と、気づいたのは昨日だった。
それまでにも、なんとなくそんな気はしていたのだが。
気になるなぁ、なんて。
連絡を取り合ったりすると嬉しいし、返信が遅いと不安だった。
…昨日だって彼を自然と目で追ってる自分がいたし、うらたさんにも不審がられたくらいだ。
きっと、うらたさんはわかってるだろう。
はぁ、とまた一つため息をつくと、96ちゃんにガシッと肩を掴まれ、前後に振られた。
「ちょっ、ちょっと?!く、96ちゃん!!」
「相手が誰か吐くまで帰さんぞ!!!」
「わかっ、わかったから!!離してっ!」
今度を首を縦に大きく振ると、取り敢えず落ち着いてくれたのか、ピタッと動きを止めた。
目は爛々と輝いていて、餌を待つ犬のようだ。
…いや、彼女は猫なんだけど。
その目に負けて、観念したように口を開いた。
「…歌い手のまふまふさん。」
「…ま?」
「ま。」
「えぇーーーーーーーーーー「だからうるさい。」
ごめんちゃい。」
しゅんっと体を縮こませた彼女は、やっぱり犬のようだった。
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藍色の風 - コメント欄失礼します!女版。10(ページ11)のところ、誤字ってますよ!妄想感傷代償ではなく、妄想感傷代償連盟ですよ! (2019年1月11日 23時) (レス) id: 46fd2a813a (このIDを非表示/違反報告)
轟厨 - 誤字ってますよ! (2018年7月30日 2時) (レス) id: 6e2e45da36 (このIDを非表示/違反報告)
をんぬ(プロフ) - いちご飴さん» 初めまして!コメントありがとうございます!そうなんですか!歌い手さん、憧れますよね〜!ありがとうございます、更新頑張ります! (2017年12月17日 2時) (レス) id: 813ed47718 (このIDを非表示/違反報告)
いちご飴(プロフ) - ふおおお!!めっちゃ面白いです!!私歌い手さん(特にまふまふさん)が大好きで…。私歌い手をしようと考えてて、この小説読んでたらニヤけが止まらなくて…!!更新頑張ってくださいね! (2017年12月17日 0時) (レス) id: e995f3fc57 (このIDを非表示/違反報告)
をんぬ(プロフ) - 現実逃避者=RENさん» はじめまして! めっちゃ褒め倒しじゃないですか…嬉しいです照れますw 更新速度結構気にしてたので、そう言ってもらえて嬉しいです!ありがとうございます!頑張ります! (2017年12月10日 15時) (レス) id: 813ed47718 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:をんぬ | 作成日時:2017年12月9日 16時