女版。33 ページ34
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さっきの、正直怖かった。
護身術を習っているって言っても、今回は運良くそれができただけだ。
怖いものは怖い。
今も手が震えている。
…あぁ、だめだ治らない。
まふくん家に着くと、少し安心したのか震えが治り始めた。
よし、このまま
ギュッ
「えっ?」
玄関先でのことだった。
3人が中に入っていき、私とまふくんが取り残された時、ギュッと手を握られた。
その手は勿論、まふくんのもので。
「大丈夫だよ。」
もっと頼って、って悲しそうに付け足すと、手を離してぽんっと頭を撫で、先に中へ行ってしまった。
「…っ」
ブワッと顔が赤くなり、じんじんと触れられた手が熱い。
…気付いてたんだ、まふくん。
迷惑をかけた申し訳なさと、気付いてくれた嬉しさで感情がごちゃ混ぜだ。
「スゥ、ハァ」
取り敢えず、落ち着こう。
部屋の中からは賑やかな声が響き始めていた。
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顔の赤みも引いてきて、急いで部屋に入ると4人がテレビの前で一箇所に固まって一つのゲームソフトを囲んでいた。
ぐっと覗き込むと、
「あ!スプラですか!」
おなじみのあのイラストが見えた。
「おう!コントローラーは順番に回していく制だからな!」
「了解です!」
うらたさんの張り切った声にしっかり返事をして、持ってきたお菓子やデザートの入った袋を机の上へ置く。
ガサガサッ
少し買いすぎたかも。
「まふくん、」
さっきのことでちょっと恥ずかしいけど、ここの家主はまふくんだからね。
デザートを冷蔵庫に入れてもらおうと、まふくんに話しかけると、ビクッと肩が上がって頬を少し赤く染めた。
「ど、どうしたの?」
まふくんも気にしてたのかな…?
「ふふっ」
そう思ったら変に面白くて。
なんかこう、くすぐったい。
「えっ、え?!」
驚くまふくんを見てまた笑いそうになったけど、無理矢理押さえ込んだ。
「ううん、なんでもないよ。このデザート、冷蔵庫に入れさせてもらってもいい?」
袋を指差すと、パアッと明るくなるまふくんの顔。
赤い顔も、ふにゃっと嬉しそうな色になった。
ちなみに後ろの3人も喜んでる。
「うわーっ、ありがとう!!わかった!」
返事とともに、ピシッと敬礼ポーズをしたまふくん。
うん、可愛い。
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藍色の風 - コメント欄失礼します!女版。10(ページ11)のところ、誤字ってますよ!妄想感傷代償ではなく、妄想感傷代償連盟ですよ! (2019年1月11日 23時) (レス) id: 46fd2a813a (このIDを非表示/違反報告)
轟厨 - 誤字ってますよ! (2018年7月30日 2時) (レス) id: 6e2e45da36 (このIDを非表示/違反報告)
をんぬ(プロフ) - いちご飴さん» 初めまして!コメントありがとうございます!そうなんですか!歌い手さん、憧れますよね〜!ありがとうございます、更新頑張ります! (2017年12月17日 2時) (レス) id: 813ed47718 (このIDを非表示/違反報告)
いちご飴(プロフ) - ふおおお!!めっちゃ面白いです!!私歌い手さん(特にまふまふさん)が大好きで…。私歌い手をしようと考えてて、この小説読んでたらニヤけが止まらなくて…!!更新頑張ってくださいね! (2017年12月17日 0時) (レス) id: e995f3fc57 (このIDを非表示/違反報告)
をんぬ(プロフ) - 現実逃避者=RENさん» はじめまして! めっちゃ褒め倒しじゃないですか…嬉しいです照れますw 更新速度結構気にしてたので、そう言ってもらえて嬉しいです!ありがとうございます!頑張ります! (2017年12月10日 15時) (レス) id: 813ed47718 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:をんぬ | 作成日時:2017年12月9日 16時