【文スト】 光の少年と闇の少女

八話、関係 ページ10

太宰「知ってるよそのくらい」

太宰が樋口にそう返す。そして芥川も

芥川「然り、他の誰より貴方はそれを承知している。元、ポートマフィアの太宰さん」

そして太宰は光を映していない目でニヤリと笑うと

太宰「君もいるんでしょ？出てくれば？」

そう投げ掛けた。そして太宰達の前にAが降り立った

A「お久しぶりですね。太宰さん」

そう、微笑み乍ら言った。然し、目は笑っていないが

太宰「聞いたよ。私の後任幹部になったんだって？出世したねぇ。“出来損ない”の癖に」

その言葉に

樋口「出来損ないだと！？」

樋口は怒鳴った。しかしAは樋口を制すると

A「大丈夫です。その人、もう起きますよ？此処に置いといて良いんですか？」

Aの言葉に全員が敦に視線を移した。そして太宰は

太宰「私は帰るよ。君は、彼に話したい事があるんだろう？」

要らない気を使い二人を抱え帰っていった。そしてその数刻後

敦「…あれ？僕…」

目を覚ました敦。そして其処に立つ二人をみると

敦(…！何故此奴等が！)

だが、敦が戦闘態勢になる前にAが口を開いた

A「どうして…？」

その言葉に

敦「え？」

敦は分からないと言う声を出し、首を傾げた

A「どうして…私を探してくれなかったの…？ずっと…待ってたんだよ…？」

そう言い、Aは顔を伏せた。静寂が訪れ、先に口を開いたのは芥川だった

芥川「お前は何故Aを見捨てた！」

芥川の目には、確かな怒りが浮かんでいた。敦は

敦「なんの事だ！」

理解出来ず、怒鳴り返したが

芥川「…！？覚えてすらいないのか？自身の妹を！己の片割れを！」

その言葉に敦は

敦「妹？だって…あの子は…死んだって…院長先生があの人がそう言ったんだ！」

だが芥川は

芥川「笑止！何故自分の目で確かめなかった！Aは貴様を！」

芥川がそこまで言うと

A「もういいです。帰りましょう」

敦の首に手刀を入れると、二人で帰って行った。意識を失う寸前。敦は

敦(片割れ…君は…僕の…)

そう考え、意識を手放した

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