【文スト】大人びている少女、武装探偵社にて奮闘中

三十四話 ヨコハマキングパラダヰス ページ36

谷崎「確か、最初に当てた人に賞金が出るんですよね？」

と、その言葉に敦が

敦「賞金！？」

賞金という言葉に反応する。そして太宰が

太宰「そうなんだよ。誰も当てられなくて賞金が膨れ上がってる」

その言葉に敦が挙動不審になっていく

敦「膨れ上がった…賞金…！ち、因みにその脹れ上がった賞金と言うのは…如何程ですか？」

まぁ、そこであろう。そしてその返答は

太宰「私達二人で総額七十万」

意外と高額であった。

敦「七！十！万！当たったら貰えるんですね？本当に本当ですね？！」

ギョッとした感じで太宰に聞き返す。当たり前だ。二人の前職を当てただけで七十万を貰えるのだから

太宰「ふん！自 殺主義者に二言はないよ」

キメ顔で言う太宰。そしてそれを見た谷崎兄妹は

谷崎「敦君…目の色が変わってる…」

ナオミ「凄い気迫ですわ…」

と、少し引いている

敦「七十万…いただきます！」

そして此処から怒涛の職業当て遊戯が始まる

敦「相場師！」

太宰「違う」

敦「作家」

太宰「ハズレ！」

敦「サラリーマン！」

太宰「ハズレ」

敦「研究職！」

太宰「違〜う」

敦「弁護士？！」

太宰「NO！」

敦「新聞記者とか！」

太宰「ブー」

敦「大工さんだ！」

太宰「違います」

敦「占い師」

太宰「違う！」

その時それを見ていた谷崎兄妹は

谷崎「で、出鱈目だ…」

ナオミ「で、ですわね…」

更に引いていた。

敦「パイロット！」

太宰「ハズレ！」

敦「通訳！」

太宰「NONO！」

敦「板前さん！」

太宰「ブー」

敦「町医者？」

太宰「死ぬ」

敦「神主！」

太宰「ハズレ〜」

敦「役者！」

太宰「違う〜…けど…ふふふ、役者は照れるねぇ」

ここまで来るのに約一分。考えついた物を言って行った敦はもう出尽くしたのか腕を組んで考えていた。些か変な職業もあった気がするが…太宰は役者と言われた事にうっとりしていた。そして国木田がそんな敦を見兼ね、太宰に声を掛けた

国木田「どうせ何もせずにフラフラしていただけなのだろう」

そう言うが太宰は真剣な声色で

太宰「違うよ」

その言葉に国木田も太宰に目を向けた

国木田「ん？」

太宰「この件で私は嘘は吐かない。じゃないと、Aちゃんにも迷惑が掛かるからね」

その言葉に敦は

敦「え？Aちゃんは学生さんなんじゃ…」

国木田「莫迦かお前は。ただの学生が探偵社の七不思議に乗るか」

三十五話 ヨコハマキングパラダヰス→←三十三話 ヨコハマキングパラダヰス

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す