《大型コラボ》十人十色のバレンタイン《歌い手》

《クッキーの味》そらる ページ11

※そらるさんの妹設定の子が出てきます
※そして恋愛というよりほのぼの家族愛です
※本人とは無関係です

私はバレンタインが大嫌いだ
女の子は皆バレンタインが好きみたいなのは本当に迷惑だ
私だって理由無しに嫌いな訳ではない
しっかりとした理由があるのだ
それは兄達である
私には三人いる
そしてその兄は全員美形なのだ
簡単に言えばモテると言うわけだ
ここで察した方もいるだろう
幼馴染みがイケメンだとよくあるやつだ

「あの夏加さんだよね？あのお兄さんにこれ渡しておいてくれないかな？」

また来たバレンタインが近づくといつもこうなのだ
はっきり言うとめんどくさい
断ればいいとか思う人もいるだろう
私もそう思っていただから断った
そのあとが面倒だったのだ

私が他の子は良いよって言ってるのに私だけ断られただとか
傷ついたこれは良いことじゃない謝ってほしい
こういう風に被害者ぶられたのだ
そして私が悪いってことになり
友達だと思っていた人から避けられ
それが嫌で次の年は断らなかった
すると八方美人だの偽善者だの色々言われた

これが嫌で私はわざわざ県外の高校に入学したのだ
これで兄の事を知っている人はいない
やっと平和に過ごしていけるそう思っていた
なのに何故か兄が校門の前に立っていたのだ
皆はあの人イケメン誰？とか誰かのお兄さんじゃない？などと騒いでいた
そうして兄の存在がばれまためんどくさいことになったのだ
不幸中の幸いなのか私には今は友達がいる
こういうことがあると持つべきものは友達だなと思うのだ

「大変だね夏も。お兄さん宛のチョコいっぱいじゃん」

そう他人事(実際そうなんだけど)のように言ったのが私の友達だ

「うちのお兄ちゃんチョコ食べられないのにね」

もうひとつ大変なのは
この大量のチョコを全部私が食べなくてはならないことだ
毎年兄に渡そうとはしている
だが俺チョコ無理だからとかえされるのだ
イケメン三人分のチョコの数は多い
毎年母と二人で食べている
時々悪いとは思っているが友達にも食べてもらっている
甘いものは好きだけど毎年こうだと嫌になってくるのだ

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