第３４話─呼び出し─ ページ35
「姐さん、有難う･･･」
自分の腕を姐さんの背中に回す、すると、顔を上げた。姐さんの目が私は好きだ。強い、女性の死を生き抜いてきた目が。
「僕は姐さんを大事な母だと思ってる、架け替えのない大事な姐さんだから･･････」
自分の親指の腹で姐さんの頬に流れる涙を拭った。
尾崎「すまぬ、取り乱してしまって、怖かったじゃろ･･････？」
私の手を其の儘姐さんの手が包むように握った。
「ううん、気持ちがスッキリした、有難う御座います、姐さん」
尾崎「私も、本音で話せて良かった、すまぬの、茶が冷えてしまっているかもしれぬ、入れ直してこよう」
「大丈夫です！其の儘でも十分に美味しいです」
立ち上がる姐さんの裾を掴んで呼び止めた。そして、少し冷えてきた茶を飲む。痛む熱い傷が優しく冷えてく感覚に落ち着いた。
尾崎「菓子もお食べ」
「はい！」
そして、姐さんから貰った茶菓子を口に運ぶ、ふわりと甘くて、ほろっと溶けてしまうような餡が美味しい。
其れを茶で潤す。何この一時。
姐さんは、先程までの潤んだ目は無く、いつもの様に我が子を見るような優しい目に変わっていた。
「ご馳走様でした」
尾崎「お粗末さまでした、どうじゃ？」
「物凄く美味しかったです！」
尾崎「そうか！なら、又、この茶菓子をお主用に取り寄せておこうかの」
「有難う御座います！姐さん！」
尾崎「又、茶でもしようのう」
「はい！」
すると、タイミングよく、姐さんの執務室の扉が叩く音がした。
尾崎「入って良いぞ」
すると、顔を出したのは、橙色の髪に帽子、蒼色の目をした見知った顔だった。その人は姐さんに帽子を取って胸に添えて一礼する。
尾崎「中也か、どうしたのじゃ？これから任務かのぅ？」
中也「はい、Aも共になので捜してました」
「中也、御免なさい、有難う！」
中也「おう、じゃあ、姐さんに御礼云って行くぞ」
「姐さん、本当に有難う御座いました」
尾崎「良いのじゃ、どうか、無事に帰ってくるのじゃぞ？」
「はい、」
姐さんに頭を下げてその場を後にした。中也の背中を追う。
中也「手前、昨日大丈夫だったか？」
「うん、なんか、芥川にも迷惑掛けちゃったし、後で御礼云っとこ」
中也「いや、もう目の前にいるぜ」
「え！？！」
すると、目の前には黒い外套に身を包み咳き込む青年の姿が。
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うり太郎(プロフ) - まだ設定しか読んでいないのですが、純粋に異能力多すぎでは･･･?ただ思っただけなので、特に気に止めて頂かなくて結構です。 (2021年11月14日 21時) (
レス) @page1 id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
華紅薇(プロフ) - ともさん» ともさん！！コメントありがとうございます！一気に読んでくださったんですか！ありがとうございます(*^^*) (2021年9月6日 18時) (レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
とも - おもしろくて一気に読みました！更新楽しみにしてます！！ (2021年9月6日 0時) (レス) id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚Ａｙａ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maasasr/
作成日時：2021年8月14日 0時
