月島、彼女に惚れ込んでます【月島蛍】

#16 白布side ページ16

.




今、腹立つくらい仲いいカップル見たからちょっと聞いて。





今日は、10月のとある日。



日が短くなろうが、夜が寒くなろうが
ウチの部活の時間は変わらない。


だから今日も、夜の9時頃に部活を終えた。





疲れたな、今日は一段と。

天童さんに無駄に絡まれるし。


早く帰ろ。




そう、思っていた。






なのに









「あー…」





コンビニ寄らないと。





と、コンビニの前を通った時に思い出してしまった。

赤ペン無いし、消しゴム無いし。




めんど





でも、買わないと課題出来ないし

未提出で、明日の放課後やるなんてことはしたくない。






俺は、重い足取りでコンビニに入って小さな文房具コーナーに行く。

適当な赤ペンと消しゴムを手に取っていざレジへ。









だけどこういう時に限って、レジは混んでいる。









目の前の人だかりを見て、俺は心の中で小さく舌打ちをする。









まぁ仕方ない。なんでこんな時間に混むのか訳がわかんないけど、とりあえず列に並ぶ。







その、俺が並んだ列の、俺の前にいた2人が腹立たしかった。









『あ、肉まん……』

「食べたいの？」

『んーん、夢に出てきただけー』





そう話す、どこかで見たことのあるようなデカイ男のジャージには、
“烏野高校 排球部”の文字。

その横にいるちっちゃい女は、制服姿。烏野の。





なんだ。コイツら烏野か。

つか、バレー部かよ。と思いながら、話を盗み聞く。







「どんな夢見たの」

『んとね、蛍くんと一緒に寝てたら、蛍くんがいきなり笑い出して肉まんを食べたの』

「は？」




うん。は？だよ





『面白かったんだよ！』

「ふーん」




いや、彼女変わってるね。





.

#17 白布side→←#15 菅原side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す