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愛吐 2 ページ2

『幾ら何でも勝手に特攻するのは辞めてよ!もう、また傷が増えたじゃない』

「何のこれしき…僕は任務を遂行した迄だ。お前に口出される権利など…」

『ああもう、喋らなくていいから!』

身体中の至る所から血を流す芥川君。どう見ても強いとは云えぬ身体からこんなに大量に出血しているのを見るといつか死んでしまわないか卒倒してしまいそうになる。

傷口にコットンで消毒液を塗ると痛みに顔を歪ませる。

抑も芥川君は感情に任せて勝手に行動することがただでさえ多いのに…司令官の西野さんに後で云わなきゃ。

それと樋口ちゃんから報告書の回収と中也さんに資料を送るのと、仕事は山積みである。


『はい、終わり』

「うむ。では僕はこれから特訓に…」

『莫迦云わないの!』

私は頭を抱えながら医務室を後にするとスマートフォンが鳴った。こんな箱一つで連絡が取れるようになるとは…便利な世の中になったものだ。

『もしもし。調子はどうでしょうか。中也さん』

「後少しで片付きそうだ。来週までには帰れる」

『そうですか。…念の為後で書類を送らさせていただきますね』

電話の向こう側の相手の声に耳を澄ませる。四年と数ヶ月間組んできた上司である。

「何だ?また芥川がやらかしたのか?」

『何故それを…』

首領の執務室に向かいつつも中也さんと軽く話す。一人の私を気遣ってか彼は必ず余談を混ぜる。私のことをしっかりと理解してくれている数少ない人間のうちの一人だ。

「手前の頭痛の種といやぁそれしかねェだろ。もうすぐ俺も帰るからしゃんとしとけよ。じゃあな」

『はい。お疲れ様です。それでは』

電話を切ったところでちょうど執務室に着いた。

私は数回ノックをし、軽く声をかけた後中に入った。

すると首領の威厳とはどこに行ったのか、紅いドレスを纏った少女を追い回す中年の姿と呑気に茶をすする五代幹部のうちの一人である紅葉姐さん。もはやこれは日常と一体化してる。

「エリスちゃあん!今日こそ着てよ〜せっかく私が見繕ったんだ!見てごらんよこの散りばめられた美しい蝶を!絶対に似合うと思うのだよ!」

「リンタロウ、気色悪いしAが困ってるわ!」

「ええ?Aちゃんがあ?」

私は扉の前で待っていると、エリス嬢が私に向けて指をさした。首領は気づいていなかったようでパチパチと数回瞬きをした。二人の視線を同時に集めたところで私は咳払いをした。

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桜雪(プロフ) - りかまるさん» コメントありがとうございます。応援してくださる方がいて本当に感謝してもしきれません。拙い物語ですがこれからもよろしくお願いします、! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - のら猫さん» 10分、、それはすごい、、!コメントありがとうございます!自分のペースで頑張ります! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - びあんさん» コメントありがとうございます。やっぱり小説を書くのってとても労力のいることだと思います。びあん様も同じ作者の身として無理のない程度に頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - sonataさん» ありがとうございます。sonata様の作品とても素敵でした、、!大好きだなんて言葉を頂けてとても嬉しいです。お互い頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
りかまる(プロフ) - ゆっくりでも大丈夫です。無理なく、執筆して頂けたらと思います。応援しています! (2019年3月24日 22時) (レス) id: dbac4f4de5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜雪 | 作成日時:2018年12月29日 21時

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