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30、香水 ページ30

コナン君達と別れた後、どうやってAの機嫌をとろうかと思案していたが。
……意外にも、怒った様子は無くて拍子抜けした。


というより、炎上を確信して完全に吹っ切れたように思える。

" あの子達は絶対に大丈夫だから " と。
謝りながら手を離したら、あっさり許して貰えた。


『…わたし、甘いものがたべたい』と呟いたAに、喜んで。と答えて。
飲み物と一緒にカップのパフェを買って来たら、ベンチに座って待っていたAは、嬉しそうに笑った。


「ありがとう、あむぴ」
「どういたしまして」

彼女が美味しそうに頬張る姿を眺めていた。『パフェ…って。作るの結構楽しそうだね』と呟くから。

『今度、一緒に作りましょうか』なんて。2人で笑いながら約束をした。




「ねぇ、Aさん」

「ん…?なぁに?」

隣に座る彼女の頬を、そっと撫でる。
コクリ、と小さく喉を鳴らして紅茶を飲み込んだAは、首を傾げていて。


「香水、変えた?」

そう問えば、ピクリと震えて僕を見つめた。


『…き、気づいちゃったの…?』なんて目を丸くするAは、頷いた僕に小さなため息を零して。
すぐに耳まで真っ赤にして俯いた。


「ん?」

「…そ、その…深い理由とかは、無いん…です、けど。安室さんとデート、だから……なんとなく、いつもと違うのにしてみたの…」

「ふぅん?」
「でも…あの、気づかれるのは恥ずかしくて、ほんと、少しだけにしたのに…なんで…」

可愛い。

真っ赤な耳に優しく触れると、ピクリと震えたAは視線を上げた。

「…あ、むぴ?」

「車に乗った時からそんな気はしてましたけど。抱き締めれば、流石に分かるよ。」

「ウ…」
「いつもの匂いも好きだけど…これも、いい匂いだね」


「…ソ、ソウデスカ……それは良かった…デス」
「あっ、照れてる?」

可愛いなぁ、なんて。クスクスと笑って。

髪が崩れないよう、優しく頭を撫でてからベンチを立ってAに手を差し出す。


「もうすぐ、イルカのショーが始まるって。…見に行きますか?」

「……いく」

あんなに手を繋ぐのを嫌がっていたのに。
僕が笑顔で待っていると、Aはそっと。手を重ねてくれた。






「いっ、…!今の見た?!あむぴ!?」
「はい、見てますよ」

「イルカ凄いね!賢いね!ね?!あむぴ!!」
「うん、凄いね」

Aより賢いかもね。


「水族館楽しい!」
「うん。それは良かったです」



……やっぱり子供だな。

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真実(プロフ) - reさん» どの小説も読みやすかったです。一目惚れのお話は読んでいてこんな一目惚れの仕方もあるのかと感心しました!リクエストの件、ご無理はなさらずに形に出来そうであればお願いします!! (2021年8月6日 13時) (レス) id: 19057a7d80 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 真実さん» ぇええ?!全部読んで下さったのですか…?!(;-;)貴重なお時間を私の小説に割いて頂いて…う、嬉しすぎます…!本当に幸せです、ありがとうございます(;-;)一目惚れのお話も読んで頂けて幸せです…!リクエストのお話もいずれ形にできるよう、頑張りますね!^^ (2021年8月6日 7時) (レス) id: 963c697df1 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - reさん» 読んでいてお互いの気持ちを考えているのが分かるのでキュン死するかと思っています(因みにreさんの小説は全部読破しております/リクエストした際に言っていた降谷さんの一目惚れの小説も読みました) (2021年8月5日 21時) (レス) id: 19057a7d80 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 真実さん» 真実さん、コメントありがとうございます…!2人の、お互いを大切に想う気持ちを伝えられているのなら、私はとても幸せです…(;-;)とても嬉しいお言葉、いつもありがとうございます…!2人の幸せのために、続編も引き続き頑張りますね!^^ (2021年8月5日 19時) (レス) id: 963c697df1 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 夢主には夢主の苦悩、降谷さんには降谷さんの苦悩と言うものがreさんの小説から痛いほど伝わってきますね。けど、それはお互いを大切に思っての事だと思うと切ない気持ちになります。続編も楽しみにしてます!! (2021年8月5日 13時) (レス) id: 19057a7d80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:re | 作成日時:2021年7月25日 15時

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