14、チャイムを押した訳 ページ14
ーー
絢瀬Aの家が隣だと発覚してから、1週間が経った。
平日の夜は以前までと変わらず、彼女の方からポアロを訪れる。
ソファー席に座りたがる度に僕が笑顔で『却下』と告げていたら…いつのまにか。
自分からカウンター席へと座るようになった。
……何だか、猫を手懐けたような感じがする。
ついでに言えば。
ポアロのクローズ後、一緒に僕の家に帰宅して、2人で食事を作って食べて、後片付けまで済ませる事に何の疑問も感じていないようだ。
『あむぴのご飯美味しい！天才！』と、目を輝かせては、お腹が満たされると隣の部屋へと帰っていく。
恐らく、今後これが日常になっていくんだろう。
彼女の行動は全て、僕の " 料理 " に釣られているだけのような気もするが。
…まぁ、Aが懐き始めたのならこの際何だっていいか。
簡単にまとめれば、それが1週間経った…僕たちの現状である。
世間で言う、休日だった…その日。
街灯が無ければ完全に暗闇に包まれるような、遅い時刻。
車を降り、睡眠不足のせいで朦朧とする重たい頭を抱えながら歩いてきた僕が……
" チャイム " を押した理由なんか、分からない。
ただ。
眠くて、身体は疲れ切っていて。何もしたくなくて……頭がおかしくなりそうな位、心が荒んで。
今すぐ死んだように眠ってしまいたくて、でも…何となく、このまま眠りたくはなくて。
何も食べる気なんか起きないのに、空腹は感じる。
1人になりたいのに、このまま自分の部屋に帰ると、孤独に押しつぶされるんじゃないかと…不安になった。
そんな矛盾ばかりの自分が気に入らなくて、ひどく腹が立つ。
こんなにも心が寂しくて、苦しくて堪らないのは……
あの組織の任務中、ふと。
" ヒロの最期 " を思い出したからだと…
思う。
｢…｣
1度は、自分の部屋の前まで来た。
…だが。
隣の部屋から漏れる、優しい明かりと。夕食の良い匂い。
まるで誘われるように、僕はその時。
無意識に…彼女の家のチャイムを、初めて押したんだ。
｢はーい！…ぅ、え？！あむぴ？｣
すぐに玄関のドアを大きく開いた彼女は、僕を見て目を丸くした。
……いや。誰が尋ねて来たかも分からないのに、いきなりドアロックを外すな。
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真実(プロフ) - reさん» どの小説も読みやすかったです。一目惚れのお話は読んでいてこんな一目惚れの仕方もあるのかと感心しました！リクエストの件、ご無理はなさらずに形に出来そうであればお願いします！！ (2021年8月6日 13時) (
レス) id: 19057a7d80 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 真実さん» ぇええ？！全部読んで下さったのですか…？！(;-;)貴重なお時間を私の小説に割いて頂いて…う、嬉しすぎます…！本当に幸せです、ありがとうございます(;-;)一目惚れのお話も読んで頂けて幸せです…！リクエストのお話もいずれ形にできるよう、頑張りますね！^^ (2021年8月6日 7時) (レス) id: 963c697df1 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - reさん» 読んでいてお互いの気持ちを考えているのが分かるのでキュン死するかと思っています(因みにreさんの小説は全部読破しております/リクエストした際に言っていた降谷さんの一目惚れの小説も読みました) (2021年8月5日 21時) (レス) id: 19057a7d80 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 真実さん» 真実さん、コメントありがとうございます…！2人の、お互いを大切に想う気持ちを伝えられているのなら、私はとても幸せです…(;-;)とても嬉しいお言葉、いつもありがとうございます…！2人の幸せのために、続編も引き続き頑張りますね！^^ (2021年8月5日 19時) (レス) id: 963c697df1 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 夢主には夢主の苦悩、降谷さんには降谷さんの苦悩と言うものがreさんの小説から痛いほど伝わってきますね。けど、それはお互いを大切に思っての事だと思うと切ない気持ちになります。続編も楽しみにしてます！！ (2021年8月5日 13時) (レス) id: 19057a7d80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：re
| 作成日時：2021年7月25日 15時
