え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。THE SECOND 【となりの坂田。】

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まふまふside

ブチッと電話が切れてから、ツーツーという音がまだ続いている。

僕も何も言わないし、コメント欄もいつもよりは大幅に速度を落としている。

気まずい沈黙。

リスナーさんも、僕も、リア充の喧嘩を目の当たりにして絶句している。

目の前でまざまざとリア充のイチャイチャや喧嘩を見せつけられた非リア間の沈黙ほど気まずいものはない。

ついでに心の傷も痛い。

｢もしかして僕……ヤバイことしちゃった？｣


》はい、確実にヤバいですね((

》今切ったの彼氏さんだよね？

》ひええ…嫉妬彼氏恐るべし…

》【そらちゃん終了のお知らせ】


恐る恐るリスナーさんに問いかければ、コメント欄はいつもの勢いをやっと取り返した。

しかし、そらちゃんにとっても僕にとっても絶望的なコメントが返ってくる。

｢いやノリの良さとしては100点満点だけれども!!!

【そらちゃん終了のお知らせ】はやめよう?!
もれなく【まふまふ終了のお知らせ】もついてくるんだから!!!｣


》追記:【まふまふ終了のお知らせ】

》まふくんも終了したw

》君のことは一生忘れないよ……

》お葬式にはみんなで行こうね…


｢いやいやいやいやいやいやいやいや何勝手に僕のこと死なせてんだよ!!!!!!
まだまだ図太く生きるから！

というか不吉だからそんなこと言わないで!!!｣

いやいや、マジで。

マジで坂田にシメられる。

シメられるというのは決して比喩でもなんでもなく、配信中も坂田からの脅迫LINE(内容は自主規制にしておく)が絶え間なく届いていた。

｢やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい……｣

アルバム発表前ぐらいの病みテンションで頭を抱える。

坂田にシメられるだけで済むならまだいいけれど、例のあの人にバレた日には……

“おいまふまふなんでお前Aと配信してんだよなんで俺誘わなかったわけ？ちょっと話あるから後で俺ん家来いよ”

となること間違いなし！

そらるさんのブレーキ役はAちゃんと僕の2人1役と言えど、そらるさんの怒りの矛先はだいたい僕にむく。

そらるさんは決してAちゃんには怒らない。

そういうとこあるよな、あの人。

忖度するのもいい加減にして欲しい。

その時、そらるさんから一通のメッセージ。

｢ひえ…｣

恐る恐るそれを開くと、そこにはただ一言。

そらるさんさかたころす

｢＿＿勘弁してくれ……｣

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