え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。THE SECOND 【となりの坂田。】

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Aside

『あ、あれ、ブレーカーの故障かな？
ちょっと私ブレーカー見てくる…』

そう言って意味もなくブレーカーを確認しに行こうとすると、悠は腕の力をさらに強める。

｢ブレーカー？ 部屋の電気ついてんのに？
それおかしくない？
てか俺が電話切ったん見てたよな？｣

現実逃避は悠の超現実的な発言で終わりを迎えた。

夢ぐらい見させてくれ。

『…さーてと、ブレーカーどこだったかなー』

｢おい現実逃避すんな｣

さらに強められた力に私の腰が悲鳴をあげる。

やばいやばいこのままでは死んでしまう!!

『ねえねえ悠、気づいてる？
私の腰折れそうなんだけど』

｢…俺の心の傷に比べたらそんなん全然やろ｣

なんかあの浮気騒動の日をさかいに、私が悠に怒られることが多くなった気がする。

別に自分の落ち度を認めない訳では無いが、気にしてないと笑っていた悠は実はまだ怒っているのかもしれない。

また、悠が怒る(というよりかは拗ねる、または駄々をこねる)回数が増えていくのと同時に、素直に想いを述べてくれる回数も増えていった。

ヘタレと言わざるを得なかった前の悠とは大違いである。

積極性が身についてどちらかといえばかっこよくなった悠も好きだが、あの若干ヘタレな可愛い部分が見れなくなって少し寂しい気持ちもあったり。

私が心配にならないようにしてくれてるのかな、なんて妄想に近いことを考えていると少し微笑ましくもある。

そんなことを考えて黙り込んでいる私のの様子をどう解釈したのか、悠はさらにふてくされた。

｢ばーかばーかそんなに俺より某船の赤色担当が気になるんやったら勝手に調べたらええんちゃう？
Aのあほ、人でなし、おに、あくま！｣

『ええ…？』

別に悠よりその人が気になるとか一言も言ってないのに。

ただうちのお兄ちゃんが迷惑かけてないかな…と思っただけのことだ。

悠の発想の飛躍は悪い意味で素晴らしい。

頭の回転が早いとも言える。

｢別にAがそいつのこと調べても俺にはいっっっこも関係ないしー？
別に気にいらんとかそんなんじゃないけどー？

最近配信ばっかで俺のこと、ずっっとほりっぱなしやん。
まふとかそらるさんとか、この前は96月と配信してなかった？

もうちょっとぐらい俺に構ってもええと思わん？
そう思うの俺だけ？｣

そう言う悠に何も言えなくなる。

確かに最近は悠を放りっぱなしにしてしまっているかもしれない。

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