え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。THE SECOND 【となりの坂田。】

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坂田side

｢アーティストとプロデューサーが一緒にダイエットって………
どんな会社やねんそれ｣

｢デスヨネーー!!!!
やらかしたー俺の人生おわった｣

｢落ち着け馬鹿｣

打ち合わせ後、毎度の如くうらさんちに飲みに行きAのことを相談する。

センラのツッコミにいつもは負けずに言い返すが、今回ばかりは言い返さずに半泣きで酒を口に流し込む。

いやいや、自分でも思うよ？

そんな職場あるわけないやーん、どんなブラック会社やねんそれ。

Aもさすがに不思議そうな顔してたしな。

｢うえええええんどうすればいいんや……｣

｢坂田はなんでそんなおもろいくらいにボロが出るんや…｣

まーしぃーに至ってはいつも面白がってる。

センラとうらさんはいつも呆れ顔。

｢まーしぃーひどい！
あ、なんか電話きた｣

｢だれだれ？｣

｢んー、母さんやわ。
どうしたんやろ？

もしもし？｣

〈あ、悠？
あんた、彼方くんから聞いたで、Aちゃん大変なんやって？〉

電話に出るなり、マシンガントーク。

ああ、めんどくさ。

｢うん、まあ…｣

〈うん、まあちゃうわほんまに！！
なんでそんな大事なこと母さんに言わんの！〉

｢あー、わすれてた｣

〈で、Aちゃんは？
あんたー、Aちゃんと電話するー？〉

“え、Aちゃん！”と、奥から親父の声がして、さらにめんどくさくなる。

｢いや、今メンバーで飲んでるからAおらんけど｣

〈はあああ？
あんた何してんのよあんたはいいかもせんけどAちゃんがもうどんなに不安になってるかああもう母さんAちゃんのこと思うと夜も眠れんわ〉

｢あ、はい…｣

〈あ、そや、明後日お父さんと一緒に東京行くんよ〉

｢はい?!｣

〈久しぶりにAちゃんにも会いたいしー。
別に泊まるわけやないんやからいいやんか。

あ、AちゃんにAちゃんの好きな駅前のケーキ買ってくって言っといてな！
じゃあまた明後日！〉

自分の言いたいことを言ってから、母さんは電話を切った。

｢お前の母さん相変わらず元気だな｣

うらさんが同情を滲ませた声で言う。

｢元気すぎて困ってるわ…
明後日東京来るって言うし…｣

｢なあなあ、確認したいんやけど…
坂田の母さんは坂田の活動の事知ってるわけやろ？
坂田の母さんおっとりしてるし抜けてるとこあるし…

母さんの発言でポロッとAちゃんにバレるってことは…｣

｢…ある、かも…

え、ヤバない？？｣

坂田悠、人生最大のピンチです。

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