え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。THE SECOND 【となりの坂田。】

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Aside

｢まあ、ともかく相変わらず坂田とAが仲良さそうでよかったわ｣

｢うん、そりゃそうやな。
同棲も上手くいってるみたいやし｣

『いつもいつもお世話になっております…』

テーブル越しにぺこりと頭を下げると、2人はにこにことした笑顔を返す。

本当に2人には感謝しているし、くろちゃんも美月も私のことを妹みたいに可愛がってくれるから、色々なことを相談しやすい。

｢夜の事情も順調みたいやしな♡｣

｢そうそう、腰痛かったら仕事変わってあげるからさあ♡｣

＿＿＿＿たまにいらないことも言うけど。

『うん、まあ、最後の心配はいらないけど…』

｢えー、大事やん！

もーTwitterとかでもイチャイチャ見せつけちゃってさぁ〜?!
坂田も“そらカレ”とかいうアカウント作っちゃってさぁ〜?!

このツイート彼氏やからええけど他人やったらマジ怖いよな…?!
このツイートとか、ほら、これとかさ!!!｣

くろちゃんがけたけたと笑いながら私の前にかざした画面を見て、スプーンがカタンと音を鳴らして食器に落ちる。

｢え、Aちゃんどしたん？｣

｢A、どしたの？｣

くろちゃんも美月も心配そうにこちらを見つめる。

｢もしかしてやけどこのこと坂田言ってなかったん？
あいつほんまにあかんやん！

うお、Aちゃん?!｣

くろちゃんの携帯をひったくるようにして何度もその人のツイートを読み直す。

“そら、今家出ました！
義兄さんとの配信がんばれ〜！”

“今日も配信お疲れ様〜!!!
いつも頑張ってて本当に偉い!!”

文面だけを見れば、彼氏に“見えないことも無い”。

でも、違うの。

これは絶対に悠“じゃない”。

私はこの人を知らない。

目の前がくらくらと回り、椅子の背もたれに深くもたれ掛かる。

『こ、これ………悠じゃ、ない…

この人、だれ……？』

｢｢はあ？｣｣

2人は何が言いたいのか分からないというような、素っ頓狂無声を上げた。

｢ちょ、ちょっと待って！
この人、結構“そらちゃんの彼氏”ポジで有名なんだけど……

これ、坂田じゃないの？｣

そう問いかけてくる美月にこくりと頷く。

『悠のアカウント、これじゃないから…』

Twitterのアカウントを作る時に見たので、はっきりと分かる。

悠のアカウントは“悠@sora_darling”だったはずだ。

それに、悠からそらちゃんの彼氏としてのアカウントを作るなんて聞いていなかった。

そのことをくろちゃんたちに伝えると、2人はけわしい表情を浮かべた。

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