姫の太宰さん。 ページ40
太宰さんのポケットの中で時々きゅっきゅっと手を握られる感覚がとても落ち着く。
…心臓は全く落ち着いてくれないのだが。
…やはり太宰さんと歩いていると嫌でも感じる視線。太宰さんは容姿端麗だもの。私なんかが隣を歩いていては恥になってしまう。
ほら、あそこのお姉さん達もこちらをみている。きっと「イケメンの隣に虫けら。」とか言われているのだろうなあ。…もし太宰さんの事を知っている人だったら私後日暗殺されるのでは…??
太「…静かだねえ。」
私の脳内の会議室は大荒れだ。
『…今日は美女探ししなくていいんですか?』
荒れに荒れた脳内会議室は意味の無い議題ばかりを投げあっている。
太「え?どうして?」
『いつもしてるじゃないですか?樋口さんの…ポートマフィアの件の時もそうですし…。太宰さんの心中には美女が必要では?』
まんまるの目を私に向ける。
太「もう美女がいるのだから必要ないだろう。」
ほらここに、と、繋いだ手をきゅうっと握られる。お世辞なのは解っているが、それでも熱は顔に集まっていく。
太「…あれ?大丈夫?」
手を繋がれ、甘い声を聞きながら、太宰さんの隣を歩いているこの状態、やばい。なんて言うかやばい。語彙力が足りないがやばい。
『…私、暗殺されますかね?』
太「ぶはっ突然何を言い出すんだい!?」
くくくっと片手でお腹を抑えながら笑う太宰さん。太宰さんってこんな風に笑うの…?
太「Aちゃんはやはり私の考えを超えてくるねえ。飽きないなあ。んふふふ。」
堪えようとした笑いが溢れている。太宰さん可愛い。
太「で、私の姫は何をくるくると思考してくれたんだい?」
姫…姫……姫………?
太宰さんの事…?太宰さんは王子を通り越して姫です。太宰さんのドレス姿…絶対かわいぃ…。
『…ん?あれ、川辺に来ましたが本当に…?私濡れたくないです。』
太「華麗にスルーしてくれたね。
Aちゃんは此処で待っていてくれ給え。」
『え?此処?太宰さんはどこに行ってしまうのです?』
何も無い、誰もいない川辺。
ここで待ってどうしろと…。
太「私の姫はそんなに私といたいのかい?ふふふ。私はもう少し上流に行って川を流れる。」
『え?』
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麗(プロフ) - 30ページ 敦を「僕のせいで を は不要かなと思います (2021年4月11日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
一沙 - 夢主、重症と見たり (2020年4月9日 14時) (レス) id: c108e162c7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 星来さん» ありがとうございます!更新はできるだけ頑張ろうと思っています、一緒にキュンキュンしましょう〜! (2020年3月25日 16時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
星来(プロフ) - 今最高にハマってます…文スト作品の中でここまでキュンキュンしたの初めてですわぁぁぁ更新心から応援してお待ちしてます!! (2020年3月25日 10時) (レス) id: 5ba0477dc2 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - そるてぃーらいちさん» ありがとうございます!妄想にお付き合いいただき感謝です(*’ω’*) (2020年3月23日 19時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年3月13日 1時