激推ししてます、太宰さん！

役者の太宰さん。 ページ20

敦｢勤め人｣

太｢違う｣

敦｢研究職｣

太｢違う｣

敦｢工場労働者｣

太｢違う｣

敦｢作家｣

太｢違う｣

敦｢役者｣

太｢違うけど、役者は照れるね｣


『太宰さんが役者なんてしたらこの世の女性はみんな萌え死にですね。』

国｢隠しもしなくなったな、相川。｣

谷｢Aさん、嘘が下手で素直な性格だから敦くんの入社試験もAさんだけ教えられてなかったんですよ。｣




うーんうーんと唸る敦くん。
…私、素直、かぁ…えへへ。ちょっと嬉しい。
国木田さんが浪人が無宿人の類いだろうと言うと、｢違う、｣と断言する太宰さん。



太｢この件では私は嘘など吐かない。｣



そういってスっと立ち上がる太宰さんに続けて私も立ち上がる。…あ、別に何かしようと思った訳では無い。私は太宰さんと一緒にいることが｢いつも｣になっているので、つい立ってしまっただけ。

太｢うふふ、降参かな？
じゃ此処の払いは宜しく、ご馳走様〜
却説仕事だよ、Aちゃん。｣


私はチャリンと数百円を机の上に置く。


『はい。先程お店の前を通った女性ですね。
あ、これ、私の分です。お支払いお願いします。』

太｢……｣

少し驚いたような表情を見せてくれる太宰さん。そんな顔もするのですね、素敵です。
太宰さんの分も出した方がよかったですか？


国｢あっ！｣

国木田さんが歩き出した太宰さんを止めようとするが、するりと避けた。
太宰さんが呟く。私仕事、としか言ってないのに。と。


ぴぴぴぴっと潤くんの携帯電話がなる。


谷｢はい、…え、依頼ですか？｣

引き摺られる太宰さん。→←太宰さんの舐めたマドラー。

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