悪魔が私に囁いた。【snr】 (ページ3)

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Aside

ダメだとわかっていたのに彼の連絡先を受け取ってしまい、震える手でそのIDを検索バーに噛み締めるように1文字1文字打つ。すると出てくる聞き覚えがある彼の名前。───いけない。私はいい子だから彼の本名は知らないんだった。

｢……これが、センラさんの連絡先｣

改めて噛み締めるようにゆっくりとそう呟くとなんだかじわりと実感が湧いてきてしまいスマホを握る手が震えた。

｢どうしよう、｣

彼のトーク画面を開いたまま何も送れずにいた私は情けなく震えた声でそう呟くとスマホがメッセージの届く音を告げ、驚きで思わず落としそうになった。それに何とか阻止して握り直し、そっとそのメッセージを視界に入れる。

『こんばんは。さっき連絡先交換した子で合ってますか？』

そんな一言に思わず顔がにやけてしまう。彼から連絡が来た!!それだけで嬉しくてたまらない。私も返したいのに何を返していいか分からなくて、散々悩んだ癖にはい、とだけ簡潔な文を送る。するとすぐさま着いた既読。あまりの速さに驚いているとまたメッセージが送られてくる。

『名前、Aちゃんって言うんやね。可愛い名前。』

突然そんな爆弾が送られてきて心臓がバクバクと音を立て始めた。彼の言葉にこんな一喜一憂させられるなんて。嫌なはずなのに嫌じゃない。彼から与えられる感情は何でも愛おしい。それなのに、私はありがとうございますとかさっきから簡潔な文しか送れない。もっと可愛くありたいのに、どうしてと悔しがっていると彼から食事についでのメッセージが送られてきた。それにまた簡潔な文を返してしまったあとそっとその店を調べると結構高いことに震え上がった。────一応、お金下ろしてから行こう。