無気力組が好きすぎる

変人が28人 ページ29

夜久side









『黒尾さんこれ…って何してるんですか』
黒「別になんもない」
『いや壁に頭打ち付けてるのに"なんもない"は違うでしょうよ』






『タオルどー…ぞ、いや、黒尾さんそれドリンクだから。タオルじゃないからそれで拭かないで』
黒「どっからどう見てもタオルだろ？！」
『ダメだこの人』






『ご飯でーす…黒尾さん、そろっと頭打ち付けるのやめた方がいいですよ』
黒「大丈夫だ」
『てかそもそもなんで頭打ち付けてるんですか』









…黒尾がおかしい

いや、いつもおかしいけど「おい」今日はいつもよりおかしい

だって普通に考えて壁や床に頭打ち付けたりしないだろ？！タオルと間違えてスクイズで汗拭いたりしねえだろ？！









夜「…病院行くか」

黒「待て待て落ち着け？」
夜「お前が言うな」








頭打ち付けながら言うことじゃねえだろ








夜「んで、どうしたんだよ」







練習も終わりすっかり夜
飯も風呂も済ませて寝る準備は万端

黒尾は布団の上で正座をして、話し出した









黒「…俺、荒川のこと気になってんのか？」

夜「……は？」








は？







黒「…今日、研磨に言われてんだよ。"クロ、荒川のこと気になるの？"って。顔に書いてあるって」







黒尾が？変人で？頭おかしくて？無気力組のことしか頭にない荒川を？気になってる？









夜「…………よし、病院行こうか」

黒「さすがに酷いよやっくん」








やっくん、のフレーズに引っかかり1発蹴りを入れる
悶えてる黒尾なんて見てねえ








夜「とりあえず、研磨がそう見えてるんならそうなんじゃねえの。まあ周りから見てたら思い当たる節は割とあるけどな」

黒「…そう、なのか」








やけにしんみりとした黒尾が、素直に




気持ち悪い




と思った。 黒「酷い」

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