光を求める少女の話 【文スト】【黒の時代】【太宰治】

第七十八話＿あの判断は正しかったのか ページ41

.


織田「なんだ？」


ジイド「どうした？俺はまだ銃を撃ってすらいないぞ？」


織田「何をした！？」


織田はジイドに拳銃を向けて警戒をする


ジイド「俺には今貴君が右に避ける未来が視えた

其れに合わせて狙いを修正した

だが貴君は其の未来を視て方向を修正した

其れが俺には視えた

数秒後に起こる自分の危機を視る能力

俺もまた貴君と同じことが出来る

俺たちが持つ未来観測型能力は万能だ

貴君だけが俺を葬り、此の抗争を止められる

貴君がポート・マフィアの人間なら敵の長たる敵を撃つことこそ本懐」


織田「断る！俺は仲間を助けに来ただけだ」


ジイド「何！？貴君はマフィアではないのか？」


織田「マフィアも色々だ」


ジイド「銃は人を殺す道具だ！そして此処は戦場だ！！」


織田「戦うことに興味はない」


ジイド「なっ！？」


織田「俺が興味あるのは生きることだ」


ジイド「死よりも重要な生など存在しない！！」


織田は数多く視た予知から銃弾を避けられる道(未来)を捜し避ける
拳銃を向けるとジイドは嬉しそうな顔をするがジイドの望んだ未来は視えず
ジイドは驚きながら織田の弾丸を避ける


其れをただAは黙って見ている事しか出来なかった
どうにか助太刀をと思って拳銃を握り締めているが
未来観測の異能力者の隙を付こうとしても無駄な事


なら自分達が織田の邪魔にならないように彼を連れて先に撤退する
其れが最適解だとAは思った


自分の肩に芥川の腕を乗せ、身長差のせいで少し彼を引きずるように走る
銃声の鳴る中、決して振り返らずAは走り続ける


織田「やめろ！！！！」


織田作の声でピタッと足を止めてしまった
予想は付く、きっとジイドが走っている私たちを狙って織田作が庇ったんだ
本当ならその声にも反応せずに走り続けなければならないといけない


A「ッ………」


でもッ、やっぱり私も………




＿＿織田「行けッ！！A！！」





A「！！」


Aは無意識に落としそうになっていた彼を再度持ち上げ再びまた走り出す



＿＿この時、やっぱり戻って織田作と一緒に戦ってあの場で私がジイドを殺していれば



＿＿撤退なんかせず最後まで彼らの話を聞いていたら



もしかしたら彼の未来は変わっていたのかも知れない




＿＿＿だからこそ私は一番この時の自分が殺したい程憎いのだ

第七十九話＿スパイ→←第七十七話＿未来観測の異能力者

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す