雨が160粒。 ページ26
中也さんと手を繋ぎ、ルンルン気分で戻った。
皆、というか主に男子が校舎を修理していた。
「あ、名前ちゃんおかえり〜!」
そう云い、駆け寄って来たのはカエデ。
カエデとは、中原名前としても可也仲良くしている。
「只今、カエデちゃん。ごめんね、遅くなっちゃって。私も修理手伝うよ!」
「いやいや、名前ちゃん地味に危なっかしいから駄目だよ?!」
「茅野の云う通りだぞ。此の前走って階段から転げ落ちそうに成ってただろ。」
「え、なになに中原ちゃんってドジっ子?」
「意外だな。お淑やかそうなのに。」
「ていうか、走って階段から転げ落ちるって。」
会話に入って来る何人かの生徒。
何か嗤われたりもしてるし……。
「中也さん!それ云っちゃ駄目なやつですからね?!」
「事実だったのか。」
「中原、ドジっ子。ウケるわ。」
「え、ちょっ、そんなに嗤う事?!もう、中也さんの所為ですからね!」
「悪ィ悪ィ。口が滑った。つーかよ、何で敬語に戻んだよ。先刻は違ったのによ。」
呼び捨てで敬語じゃなかった事を何も云わないから、変に安心していたのに……。
「否、それはですね……矢っ張り慣れないと云うか……ね!」
「ね!、じゃねェ。大体手前はな、」
「ねぇ、お喋りしてる暇があるなら手伝ったら。」
中也さんの声を遮ったのは藤本だった。
というか、藤本は手伝いしてる訳って成るんだけど。見た感じ、携帯触ってるだけっぽいし。人に注意する前に自分もやれよって、話じゃん。
まぁ、中原名前ちゃんはいい子だから、そんな事云わないけどね?
「あ、それもそうだね。ごめんね、藤本さん。」
「大体、何処に行ってたの?またサボり?」
「え、保健室だけど……。後、サボってた訳じゃなくて、」
「病弱な子っていいよねぇ〜。何もしなくても許されるんだもん。」
「(仕方無いでしょ、そういう設定なんだから。)…病弱に成りたくて成った訳じゃない。」
私に近付き、
「ほーっんと、中原さんって気に食わない。」
耳元でそう云うと何処かに行ってしまった。
それを確認してか、あいつも手伝ってないくせによく言うよ、と誰かが云った。
ニヤけてしまう口元を手で覆った。
それを勘違いしてか、大丈夫?、等と尋ねられた。
私は精一杯の作り笑顔で、大丈夫、と答えた。
でも、大丈夫じゃないのは藤本の方だけどね。あー面白い。
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ベベンべエエェェ - 何か自分が恥ずかしいデス… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - 私誰かが憎しんでる顔とか、絶望してる顔大好きなんですよね…何時の間にかドエスになってたり… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
永眠(プロフ) - あの、すみません。この次の小説にパスワードが着いていて、書かれてある通りに打ったり、コメントでみたパスワードを書いたんですけど、開けなくて。どうしたらいいですか? (2020年7月8日 13時) (レス) id: b1f570929b (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 零魔さん» コメントありがとう!!そう言って頂けて、嬉しい限りです!ありがとうございます! (2018年3月16日 9時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
零魔 - 凄い! (2018年3月15日 22時) (レス) id: 8e0c5fded6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2016年12月29日 14時