ネクタイを緩めたら。【センラ】

センラ20 ページ21

セ「別に怒ってへんし。」




とスタスタ歩き出してしまった。




「怒ってますよ！ほら、今だって！」





センラさんは脚が長いから




小走りじゃないと追いつかない。





エレベーターに乗ってしまったから





急いで私も一緒に乗る。




「センラさん、
じゃあどうして機嫌…悪いんですか？」




セ「…それは…」





ガクン！





「きゃ！」
セ「うわ！」






いきなりエレベーター内が暗くなって、





止まってしまった。






セ「そーや…このエレベーター
定時ちょい過ぎで使えなくなるんやった…」





初耳なんですけど…





緊急のボタンを押して外に連絡すると





《あー、しかも今日に限ってエレベーターの
メンテナンスの日なので最低でも2〜30分は
かかりますね…》




え…





セ「分かりました、ありがとうございます。」





ーーーーーーーーーーーー

エレベーターの左右の壁にもたれかかり、



向かい合っている状態。



しかも、



エレベーター内は狭いから距離はまあまあ近い。




セ「やって、大丈夫か？」



「はい…センラさんこそ大丈夫なんですか？」




セ「俺も大丈夫やけど…」




2〜30分間このままなのかな。



「あ…で、なんで機嫌が悪いんですか？
丁度いいタイミングでエレベーター
止まっちゃったんで。」





セ「…や…」



ん？や？



こんなに狭いのに声が小さ過ぎて聞き取れなかった




「え？何ですか？聞こえません…」



セ「お前のせいや！」



「えええ！！やっぱりですか？！！」



するとセンラさんはきょとん、としてから



セ「心当たりはあったんか。」



真顔でそう言った。



だから私は



「逆に心当たりしかないです」←



と返した。

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