強くたっていい。だろ？【青葉城西】

騒がしい来訪者 ページ23

放課後。
部活がないから早々に帰ろうと校門に向かっていると、いつもよりもちょっとだけ校門付近がザワついている気がして首を傾げる。

何だ何だと覗き込むと、なんかヤンキーみたいな坊主頭の男の子と前髪の一部分だけメッシュが入っている男の子が校門の外からコソコソと、でも近くを通りかかる男子に向かってはガンを飛ばしながら校内の方を伺っていた。


え、怖。何あれ殴り込みとか？
関わらないようにしよ。そう思って通り過ぎようとしたけど

(…まぁ殴り込みなら受けて立てばいいし、人探してるなら可哀想だもんね)

うんうん。なんて頷きながら、私は二人の方に向かってなんとなしに歩いていった。



『どうした？』

校門の外に顔を出して声をかける。


「！！お、俺ら人を探してて！」

心なしか頬を染めながら答える坊主くん
ありゃ。全然ヤンキーじゃないじゃん。むしろ純情っぽい。


『ふーん。私三年だから三年なら知ってるかもだけど』

「「あざス！！」」

二人が声を揃えて叫ぶ。おうおう運動部かな？


『んで？誰？』

「えーと、夏瀬？Aさんス！」

今度は小さい方が意気揚々と答える。
元気なやつだなー。なんて思いながら頭のなかで知り合いを思い浮かべる。



…って



『それ私だけど』

そう言うと目の前の二人は分かりやすく目を輝かせた。


「おお、あなた様が！！」

「神々しい…」

『はぁ？』


なんか拝まれてるんだけど。怖。回りからすげぇ見られてるし帰っていいかな。

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