229:デート ページ8
「俺の仕事おーわりっ」
「ありがと。まーしぃも気を付けて帰ってね」
「楽しんできやー」
ほら、あそこにおるわ。と楽しそうに目を細めたまーしぃのさした場所に携帯を触る彼が立っていた。
(かっこいい...)
気分転換にデートしてきたら?というみんなの計らいで週末洋服を買う為にデートをすることになっていた。
もう何時間でも大丈夫とさかたんは魔法陣を彼に描いてくれていた。
待ち合わせのデートがしてみたいと目を輝かせる彼のお願いが可愛くてつい頷いてしまった。
それだと家を一人で出る事になってしまうから護衛にとまーしぃが手を挙げてくれて今に至る。
服も、髪も、化粧もいつもと違う雰囲気にしてみたけど気付いてくれるだろうか。
何度も着替えた服は、結局彼が可愛いとよく言ってくれる服になってしまった。
「センラ」
「、、、」
私に気付いた彼はすぐに携帯から目を離して振り返ってくれたけど真顔で視線を動かすだけで何も言ってくれない。
気合いを入れすぎたかなと少し恥ずかしくなっているとふにゃりとその表情は和らいだ。
「えー、どうしよう。可愛い」
「え、、」
「なにそれ。めっちゃ可愛いー。髪も巻いて可愛くしてくれたん?」
口を開いたと思えば可愛い可愛いとしか言わない彼に口を塞いでしまいたくなる。
照れて俯いた私の手を握ってどこから行く?と顔を覗き込まれてどきりと胸が鳴る。
「ご飯食べる?」
「そうする?ちゃんとお腹減ってる?」
うん、と頷くとじゃあしゅっぱーつ、と楽しそうな声で彼は歩き始めた。
何が食べたいとか、ここのお店はこの間テレビで見たとか歩いているだけなのに楽しい。
外は茹だるような暑さなのに手を離す気になれない。
「くださーい」
「どうぞ」
彼は路上で配っていたうちわを受け取るとそよそよと手を繋いでいない方の手で私に向かって扇いでくれている。
「大丈夫?暑いなぁ?」
「センラも凄い汗だよ」
初めて見た彼の姿に驚きもあるけど人間らしい姿に嬉しくなってしまう。
「...キモい?」
人の姿になってるからかなぁ、と小声で囁く彼の額にハンカチをあてるけど到底拭えそうにない。
「キモくない。大丈夫」
かっこいいよ。と言うとそれは絶対嘘、と唇を尖らせている。
「手汗がやばい!ごめん〜」
信号待ちで日陰に入ると彼は繋いだ手に向かって一生懸命うちわを仰いでいた。
「暑すぎて死ぬかも」
呟いた彼の言葉に笑いながら、早く何処かに入ろうとお店を探した。
596人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーりん(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!甘い二人が書きたい私としては早くこのシリアスを抜けたい所ですがしばしお付き合い下さい!笑 (2019年8月27日 21時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 更新お疲れさまです(^^)いつも楽しみに待ってます!シリアス展開なのに先が気になってワクワクしていますw更新頑張ってください! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 08075475cf (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 怜莉さん» 楽しみに待って頂いているのがすごく嬉しいです!( ;__; )コメント頂けてとても励みになりますー!少しシリアスなお話が続きますがお付き合いよろしくお願いします! (2019年8月27日 15時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
怜莉(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも楽しみで、今か今かと待っていますw個人的になんで話数毎の評価ができないんだーーーーー!!!と嘆いていますwこの先の夢主ちゃんとセンラさんがどうなるか気になります!更新頑張って下さい!待ってます! (2019年8月27日 10時) (レス) id: 0408e10153 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ぷーさん» ありがとうございますー!これからもよろしくお願いします!あと、課題頑張って下さい!!w (2019年8月27日 1時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月8日 4時