妖たちと暮らす家６

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お昼の休憩が終わる。
そろそろかなと老人や犬の散歩をしている人しかいないのどかな公園であの子に電話をかける。

恥ずかしがり屋な彼女は僕からの電話になかなか出てくれなくなったから、方法を変えてみた。

「、、、もしもし？」

可愛い声。
いつもと違う声色で電話を喜んでくれている事がわかる。

昨日何してた？
今日の仕事は忙しい？
あんな最低な奴より僕の方が大事にするよ。
僕の方がわかってあげられる。


だから、付き合おう。


息を呑む彼女の声が返事だと思った。
今日が記念日だなぁ、早く僕の名前を呼んで欲しいなぁ。
話したいことはまだあったのに、喜びでお金を入れ忘れたせいで切れてしまった。

「あーぁ、、、」

もっと話したかったのに。
まぁいいか。
これから先時間は沢山あるし控え目なあの子に無理をさせるのは良くない。
僕はあいつとは違う。

(帰ってあいつに解らせてやらなきゃな)

早くあいつには家を出てってもらわないと。
仕方ないから、出ていく準備の時間くらい家にいるのを許してあげる。


僕は優しいから。


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おかしいなぁ。
あいつから貰った物をまだつけているなんて。
高価な物だからつけているだけかなぁ。

あいつには付き合う事になったとちゃんと言ってあげたのに。

(何でいるんだ...)

最近あいつが毎日迎えに来ている。
僕と付き合う事になったのがわかった途端手放すのが惜しくなったんだ。
わかるよ、可愛いもんね。
でも、もう僕のだからその手は離して貰わないとそろそろ何するかわからないんだけどな。

そうか、あいつが出て行かなくて困ってるならうちに引っ越して来ればいい。
いつでも準備は出来てる。




ショッピングモールのレディースの洋服売り場は場違いだったけどあの子の為と思えば楽しい場所に思えた。
ランチをしていた時の会話で、スカートの丈を気にしているのを聞いたから長めのやつを買わないとなぁ。

ショップの店員はどの女もケバケバしくて気に食わなかったけどあの子の写真を見せると似合いそうな服を沢山選んでくれた。
似合いそうな服と、僕の好みの服。
きっと喜んで着てくれるはず。

これで他の男に色目を使われなくて済む。
あの子は僕が守ってあげないと。


(来月が楽しみだ)

デート用の服も、また買わないとね。

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