226:うしさせ ページ5
「ほんまに何も頼んで無いんよなぁ?」
「うん」
普通に宅配業者だったと彼は段ボールの箱を抱えて部屋に戻ってきた。
何それ?開けてみようとみんなで荷物を囲むと突然さかたんが箱を持って立ち上がった。
「何してんのお前、、、」
「爆弾入ってたら振ったらわかるかなー?って」
左右、上下にぶんぶんと勢いよく振るのをまーしぃが大笑いしながらうらたんの肩を叩く。
もういいからやめろ、とうらたんは呆れた様にさかたんを座らせると彼が箱を開け始めた。
「送り主書いてねーな?」
「Aちゃんはちょっと離れとき?」
危ない音はしてなかったけど一応、と少し離れた所に座らされて様子を眺めていると中身を見た四人はうわぁ、と声を上げている。
「ねぇ、何だったの?」
「服やな」
「服?」
「ぜーんぶ、女物の洋服」
箱の中一杯に入っていたのは新品のタグの着いた洋服らしい。
近寄っても大丈夫と言う彼の隣に座り直すと本当に洋服だらけだった。
「可愛いけど、あいつが送ってきたと思うと嫌やな」
「手紙入ってた?」
「会社で着てねって」
「、、、」
今まで会社では男女全員スーツだったけど、意向が変わって女性社員は私服に来月からなることに決まっていた。
それを喜ぶ女性社員が多かったけど、私のようにスーツの方が楽なのになぁと面倒な気持ちになる女性社員も多かった。
それでも決まりは決まりだし服を買いに行かないとねと彼と昨日話したばかりだったのに。
(何で知ってるんだろう)
会社の人なのかなとも思うけどエントランスの張り紙に書いてあるから見れないわけじゃない。
後をつけていたら知れない訳でもないし、確信できる事が何も無い。
「服は可愛いけどな〜」
一枚ずつ広げて眺めるみんなは次々中に入っていた服を出していく。
タグの名前は、どれも雑誌に毎回載るお姉さんブランドの服ばかりだった。
「、、、着る?」
「絶対着ないよ」
ちらりと彼の視線を浴びたけど慌てて首を振る。
誰かもわからない相手が買った服なんて絶対に着たくない。
「一緒に買いに行ってくれるんでしょ?」
「もちろん。これより似合う服探す」
週末はそのための服を買いに行こうと外でデートの約束をしている。
じゃあまとめて捨てると言う彼の言葉にみんな行動が早くゴミ袋にすぐに詰められ箱もマンションの下の収集場所に運ばれて跡形も無くなった。
596人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーりん(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!甘い二人が書きたい私としては早くこのシリアスを抜けたい所ですがしばしお付き合い下さい!笑 (2019年8月27日 21時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 更新お疲れさまです(^^)いつも楽しみに待ってます!シリアス展開なのに先が気になってワクワクしていますw更新頑張ってください! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 08075475cf (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 怜莉さん» 楽しみに待って頂いているのがすごく嬉しいです!( ;__; )コメント頂けてとても励みになりますー!少しシリアスなお話が続きますがお付き合いよろしくお願いします! (2019年8月27日 15時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
怜莉(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも楽しみで、今か今かと待っていますw個人的になんで話数毎の評価ができないんだーーーーー!!!と嘆いていますwこの先の夢主ちゃんとセンラさんがどうなるか気になります!更新頑張って下さい!待ってます! (2019年8月27日 10時) (レス) id: 0408e10153 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ぷーさん» ありがとうございますー!これからもよろしくお願いします!あと、課題頑張って下さい!!w (2019年8月27日 1時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月8日 4時