234(新作のお知らせ) ページ13
絶対に譲れないと一緒にお風呂に入ることを望む彼に逆らえない。
バスルームだけでどれだけの広さなんだろうと目眩がする。
バスルームからも夜景が見えて、見えないことはわかっていても目の前に広がる景色に慣れない。
「あわあわや」
「いい匂いするね」
流石と言うべきか、入浴剤の種類も1泊なのに何種類もあって目移りする。
ここでもそれは外せないのねと必死に泡立てていく私を彼は笑っていた。
「楽しかった?」
「楽しかった。沢山買ってくれてありがとう」
結局私がお財布を出したのはほんの数回でほとんど彼が先に支払いを済ませてしまっていた。
このホテルだって、さっき先に支払っているのを見てしまっている。
(贅沢、、、)
バラのいい香りがするバスルーム。
お腹が減っていないという私に彼は軽食のルームサービスまで頼んでくれていてこんなに贅沢してバチが当たるんじゃないかとすら思う。
「また明日から仕事頑張ろってなるね」
「何十年も頑張れそう」
そんなに?と声を上げて笑う彼にありがとうともう一度素直に言えた。
「またこうやってデート出来るように俺も頑張るね」
楽しみにしてて、と少し濡れた手が頭を撫でた。
「なんかそそる」
「、、、そんなつもりで着てません」
お風呂から上がり、部屋のバスローブに身を包んで寝室へ行くと同じ恰好をした彼がベッドで横になっていた。
おいでと手を引かれて素直に従う。
いつの間にか部屋のライトは消されて微かな夜景の光だけが部屋を明るくする。
腕の中に閉じ込められて、見上げるとある彼の淡い瞳にいつもの光景だと少し安心した。
慣れない部屋に知らず知らずのうちに緊張していたのか、彼の唇が重なって肌を撫でられると身体の力が抜けた様な気がした。
「大好き」
何度も囁かれた言葉に、大好きだけじゃ伝えきれない気持ちになった。
何度も手を繋いでくれて、可愛いと頭を撫でてくれて、抱き締められて、身体を重ねる度に愛されてると実感する。
もうどれくらい時間が経ったかわからなくなった頃、どうして欲しい?と意地悪く聞く彼に分かってはいるけどして欲しいことは全部してくれてると言うとそういう意味じゃないと小さく笑う。
「じゃあ、センラの好きにさせてもらうね」
そんな事言っても、優しいくせに。
本気で嫌だと言えばしない彼に甘えてる。
背中にまわした腕の力を強めるとまた唇は温かくなった。
透明な翼【うらた】
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あーりん(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!甘い二人が書きたい私としては早くこのシリアスを抜けたい所ですがしばしお付き合い下さい!笑 (2019年8月27日 21時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 更新お疲れさまです(^^)いつも楽しみに待ってます!シリアス展開なのに先が気になってワクワクしていますw更新頑張ってください! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 08075475cf (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 怜莉さん» 楽しみに待って頂いているのがすごく嬉しいです!( ;__; )コメント頂けてとても励みになりますー!少しシリアスなお話が続きますがお付き合いよろしくお願いします! (2019年8月27日 15時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
怜莉(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも楽しみで、今か今かと待っていますw個人的になんで話数毎の評価ができないんだーーーーー!!!と嘆いていますwこの先の夢主ちゃんとセンラさんがどうなるか気になります!更新頑張って下さい!待ってます! (2019年8月27日 10時) (レス) id: 0408e10153 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ぷーさん» ありがとうございますー!これからもよろしくお願いします!あと、課題頑張って下さい!!w (2019年8月27日 1時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月8日 4時