78、キス…そして ページ28
「今日だけはコレも着けて!」
という涼くんのお願いで、クローバーとハートのネックレスを胸元で揺らしながら、二人でテーブルの上の大きなケーキを紅茶と一緒に両端からフォークで食べた。
「…甘いな〜」
「うん。大きいから食べても食べてもなくならないね」
二人で食べるには大きすぎるケーキに、涼くんと笑った時だった。
「……A」
「…え?」
突然呼ばれた名前に顔を上げた。
「あの、さ。これからA…って呼んでいい?」
二人ともケーキを食べる手が止まった。
「…もちろんいいよ」
「じゃ、俺のことも涼って呼んで」
……え。
「よし、じゃ練習してみよう!」
「れ、練習?」
「ん。だって今困った顔したから」
……あ。バレてた。
「じゃあ俺から。
……A」
「え、涼……?」
「A」
「涼……」
「A!」
「涼!」
って。
何やってんだ、私たち。
笑いながら、何度かそんなバカげた練習を繰り返した時だった。
「……A」
優しい声で私の名前を呼んだ涼くんが、ぎゅう、と私を抱きしめた。
温かい涼くんの腕の中。
「A……。俺、本っっ当にAのこと大好きだから…」
そう言って私の額に優しくキスを落としてくれた涼くん。
「涼……」
今度は自然と名前が呼べた。
ゆっくりと下りて来た涼の唇が、私のこめかみに触れた。
そして
「A……」
キスをした。
ゆっくりと。唇の温度を確かめるような優しいキス。
一度離れた唇がもう一度戻って来た。
さっきよりも強く押し当てられて。
苦しくて。息をするタイミングがわからなくて「はぁ…っ」思わず息を洩らした次の瞬間
私の口内に涼の舌が入って来た。
「……んんっ」
ビックリした。
なにが起きたか、なにが起こっているのかわからないうちに
涼の右手が
服の上から私の胸の膨らみに触れた。
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ユチコ(プロフ) - Blueheartさん» コメントありがとうございます!嬉しい〜( ;∀;)更新頑張ります〜☆ (2018年7月29日 16時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 更新頑張ってください! (2018年7月26日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月16日 12時