漆黒の禍狗はパパになったようです

まいご　1 ページ15

芥川夢歌様リクエストです!
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「ぱーぱ？まーま？」

人通りの多いヨコハマの街を、１、２歳位の幼子が一人で歩いていた。

幼子の名前は芥川治春。母であるAと共に買い物に行っていたが、Aがほんの一瞬目を話した隙に、ひらひらと飛んできた蝶を追い、其の儘はぐれてしまったのだ。

いくら探しまわっても見つからず、不安になりお気に入りの黒獣のぬいぐるみをぎゅっと抱き締める。

「ぱーぱ…まーま…」

じわ、と大きな目から涙が零れそうになった。

「あれ？治春ちゃん？どうしたの？」

其の時、何者かが声を掛けてきた。見上げると、白い髪をした人の良さそうな顔をした青年が立っていた。

「じーこ？」

「う…。やっぱり其の呼び方なのか…。お母さんは？もしかして、迷子かな？」

敦がひょい、と治春を抱き上げると、治春はぐいぐいと敦の髪を引っ張った。

「痛たたたっ！…うーん、迷子なら、探偵社に連れて行った方が良いかな…？」

治春はポートマフィアの芥川龍之介の子供である以前に、未だ１歳半になったばかりなのだ。一人にしておいて良い訳が無い。

そう判断した敦は、腕の中の治春に
「治春ちゃん、探偵社でお父さんとお母さんのこと、待ってようか」

と云うと、『お父さんとお母さん』という言葉に少し元気になったのか、治春は

「あい！」

と元気良く云って、にこにこと笑い始めた。

敦は其の笑顔に癒されながらも

「国木田さんに何て云おうかな…」

と、内心、冷や汗をかいていた。

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作者です。

長い間更新できず申し訳ありません！

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