莫迦じゃねえし。 ページ6
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「いやァ、興味深い異能の持ち主が入って来たとは聞いたけど、ここまで、なんだろうね、"莫迦"だとは」
自分莫迦ですって奥様……
まァ、おほほほ……
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覚醒した。
視界に蓬髪が揺れる。
「……は?」
何で生きてるの私?
「私を前にして、起き抜けからそれとは、威勢がいいねえ、君」
月光を背にこちらを覗き込むのは、片目に包帯をした青年。
……あー、思い出した。
中原さんに近づいてはいけないと散々言われた人物。
「そういえば新人だったね、君。
……私は太宰。太宰治だ。
この組織の幹部。知ってる?」
「はあ……」
いつか友達に聞いた心中野郎(不本意にも文ストにわか)
知ってますけど、と小さく呟けば、軽く眉を上げられる。
が、それもすぐに戻る。
それより今の状況を説明してほしい。
マンションの13階から落ちたにも関わらず無傷で生きていたうえに、目の前に太宰幹部、それを不機嫌そうに腕を組んで見ている中原さん、あと自分を監視してた敵組織(自称)の青年がこちらを覗き込んでいる。
「……どうなってるんですかこれは」
なんかいろいろ訳わからなかったうえにこの頃は太宰治の恐ろしさを知らなかった。
故にこんな口調。
いやあ軽率だった。
しかしさすがは幹部、そこは器が大きかった(?)
「君の異能を確かめた」
「……はい?」
「だから、君の異能を確かめた。本格的に頭が悪いのかい、君。一回でちゃんと聞き取り給えよ」
わざとらしく肩を竦めて腰を上げる太宰幹部につられて立ち上がる。
「治くん、新人と女の子には優しく、だよ」
「私は疲れているのだよ、
「その呼び方やめてって」
青年は苦笑しながら、こちらを向いた。
「治くんがうるさいの、謝っておくね。あ、騙しちゃってたこともか。ぼくは石川
騙しちゃってたとはなんだ。
優先順位はそれでいいのか。
いや、上司って何?
様々な疑問が渦巻きすぎて、「本格的に頭が悪い」私はパンク寸前だ(根に持つ系)
まあそこはとりあえず。
「中原さん説明どうぞ」
「結局俺に回ってくンじゃねェか」
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作者名:のーと。 | 作成日時:2018年10月1日 22時