フリイダム ページ47
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結局あの後、織田作さんに会うことも無く、手術だけして次の日には医療班を追い出され、ミミックについて新たな進展も無く、また普通に学校へ通う日々が続いている。
友達には心配されたが、滑り台から落ちたと云ったら大笑いしながらいじってきた。
こっちの苦労も知らないで。
今日は学校が休みで、マフィアもバタバタしていて訓練も無かったので、つい最近見つけた洋食屋さんに母親と弟と私とで昼食を取りに来ている。
此処は大恩人織田作之助様と初めて会った場所でもあり(第45話参照)、会えるかなと少しの期待も持って訪れた。
「俺チキンカツ」
弟の絢斗はメニューの中に好物を見つけるなり、看板メニューのカレーをガン無視してチキンカツを指さす。
お母さんはオムライスを頼んでいた。
お前ら揃いも揃って！！！
私はちゃんとカレー(甘口)を頼んだ。
店主の親父さんはにこにこしてはいよ、と注文を取り、厨房へ引っ込んでいった。
お母さんが店を見渡しながら云う。
「海沿いで素敵なお店だね」
「カレーも美味しいんですけどね〜」
嫌味混じりに云ってみるも、へらへらと笑って躱される。
「私はオムライスが食べたかったんです〜」
お母さんの隣に座った絢斗は、最近やりすぎだと叱られ没収されていた携帯電子盤を懲りずにいじっている。
ふと、窓の外に目を向けると、一台の白いバンが止まったのが見えた。
車窓にはグレーのカーテンが引かれていて、怪しいなと思い見ていると、ドアが開いて人が出てきた。
それを見た瞬間、立ち上がる。
椅子が倒れて大きな音をたてた。
「姉ちゃんうるさい」
「どうしたの急に」
二人と、店長の視線が集まったのをいいことに、店長に聞いた。
「このお店って裏口ありますか」
「あるけど……？」
「今すぐそこから出てください。二人も立って」
戸惑う三人を促して、裏口から押し出す。
それから裏口のうち鍵を閉めて、正面口から外に出た。
車から出てきた、黒いマントに身を包んだ集団の内の一人が、フードを取る。
覗いた白髪に、心臓が嫌な音を立てた。
「こんな処で再び会うとは。安部、A」
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作者名：のーと。 | 作成日時：2018年10月1日 22時
