DEAD OR DIE ページ20
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後から思い出したのだが、芥川って矢張り文ストに出てくる結構ヤバいやつじゃないのか。
そんな人と戦わせようとしたのか、太宰幹部。
口をバクバク開けて迫ってくる羅生門にどうすることもできず、狼狽える。
それにしても人間の本能とはすごい、咄嗟に手を前に出す。
結論から言えばそれで助かったのだが、生憎手が千切れると思っていたものだから、如何やって助かったのか全く見ていなかった。
とりあえず羅生門が消えていたことだけはわかる。
それが芥川さんの意思ではないこともその顔を見ればわかった。
驚いたのはそれだけではなかった。
さっきまでこちらに向かってきていた羅生門が、チビ化して狆穴子のように私の黒外套からひょっこり出ているのだった。
思わず手に持っていたのを落としてしまう。
すると黒外套からは引っ込んだが、代わりにジャケットからにょろ、と出てきた。
小さいころから蛇とか蚯蚓とかは大丈夫だったけれど、自分のジャケットからとなると話は別だ。
だったら黒外套からの方がましなので、慌ててそれを拾えば、再びチビ羅生門がひょっこり顔を出した。
すると、それまでぽかんとしていた芥川さんが自分を取り戻し、また羅生門を繰り出してきた。
デカい方の羅生門が猛進してくると、チビ羅生門はびっくりして体を揺らし引っ込んでしまった。
可愛いけど今それは求めてないよ!
ところで芥川さんは完全に殺意丸出し、私を殺す気でかかってきている。
ここは私も殺す気で向かって行かないと死んでしまうのだが、まだ少年と呼べる年の不健康そうな芥川さんを攻撃することは到底私には無理だった。
ので、私は逃げに徹しようとした。
した、のだが、エスパー太宰が此方を軽く睨んでいたので、少しは攻撃しないとどっちにしろ死ぬらしい。
正直異能は攻撃の役には立たない。
そうなると体術で向かっていくしかない。
私が体術で惨敗したというのは中原さんが相手だったという話で、一般人よりはできる方だとは思う。
芥川さんも大分息を切らしているし、このままぶん殴れば勝てる。
ぶん殴れば勝てるが、心優しい(仮)女の子に彼を攻撃することができるかと言ったらできない。
でもこのままだと太宰幹部に殺される予感はしてる。
ただ攻撃すると後で芥川さんに殺される。
今死ぬか後で死ぬか悩んでいたその時、芥川さんが急に血を吐いて膝をついた。
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作者名:のーと。 | 作成日時:2018年10月1日 22時