歌.い手引退宣言出来ない件(白目)【歌.い手】

＊3話 ページ3

「で、何歌う!?」

『フタリボシ』

「即答なのね」

この曲はいつか歌ってみたかった。
一人二役だとボッチ感半端ないから歌ってなかったけど。

「てか季節ちょい違うけど大丈夫？」

『全っ然問題ない。』

「ん〜と、じゃあ歌はフタリボシだとして…イラストはどうする？」

『あ、それなら私描くから大丈夫。』

「え、しぃ描けるん、」

『酷いな、今までの私の歌ってみたのイラスト、全部私だよ。』

私は歌い手と絵師で活動名義を使い分けている。

歌い手はしぃたけ、絵師は楓花だ。

しぃたけに関しては、苗字が椎名で、元々あだ名がしぃだったからである。

「って事は…しぃって楓花さん？」

くろちゃんの問いかけに私は頷く。

「え、やばっマジで楓花さん!?
めっちゃ依頼したい!!
楓花さんTwitterやってないからさ、依頼したくても出来なくて、」

急にテンションが上がったくろちゃんを落ち着かせる。

『今日はもう時間だし帰ろ、

…店員さんが早く帰って欲しそうな目で見てるし。』


「了解、へへ、皆に自慢出来るっ!!」

未だに浮かれているくろちゃんを引っ張って店を出たのだった。

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